中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > コラム・私は見た!一覧 > 記事

ここから本文

【コラム 私は見た!】

白鵬の安美錦戦で考えた

2011年7月18日

 最近は、白鵬の相撲に取り損ないがほとんど見られないが、時になぜあんなうかつな動きを演じてしまったのかと、理解に苦しむものが後を絶ったわけではない。安美錦との一番が、下手をするとそんなことになりかねなかった。

 もっとも、そんなことは白鵬自身がとっくにご存じだろうから、わざわざ指摘するまでもないのかもしれない。しかし、この横綱は非常に完敗という相撲が少ない人なのだ。

 これは、横綱の地位に到達するまでにも、多くの人の注目を浴びていたことで、見方によってはいやらしい相撲の取り手だという批評もあったほどなのだ。

 そうした特徴を持つ力士が、意識して完ぺきな方向をめざすとしたら、いやでもうかつな取り損ないは影をひそめることになるだろう。

 双葉山の連勝記録に向かって、それに追いつけなかった時に話題になったあの“吾、いまだ木鶏たり得ず”という名文句は、世間はどう考えているかは知らない。しかし、二度三度と挑戦の機会をつくって、目標を果たすことを白鵬は狙って来るに違いない。

 その道程で、一番注意しなければならないのが、あのうかつな相撲を取ってしまう悪い癖なのだ。それは完全に根だやしにしてしまうことがなかなか難しいのだろう。特に、思いがけないところで顔を出す。

 もっとも、白鵬にもその点は注意しなければという意識があるのだろう。大過ないところで、防ぐ、攻めるなどで白鵬自身も、そういったことの影響を未然に防ぐ方法を身に付けている。

 だから、安心して観戦してはいるものの、白鵬自身を含めて、身辺はうかつな計算違いから攻め込んで、大過を引き出そうと考えている人間ばかりなのだ。安美錦戦なども、もっと注意した戦い方にすべきだったと思う。 (作家)

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ