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未熟なスイカ、トマト、バナナ・・”催熟剤”で見た目だけ完熟 |
〔2011年07月18日掲載〕 |
報道によると現在の中国では廉価な成長ホルモン剤エセフォン(ethephon)が広く野菜や果物の栽培に使用されており、その使用について厳格な規定がなく事実上無制限に使用されている。市場によってはトマトの100%がエセフォンを使用しているとされ、専門家はその危険性について警告している。
今年4月に海南島でバナナの栽培にエセフォンが大量に使われていると報道されて以来、海南島バナナが大暴落する事態が起きた。その後のマスコミの調査で、市場ではエセフォンがバナナだけでなくスイカ、トマト、トウモロコシ、キュウリなどの野菜に広く一般的に使われていることがわかった。
栽培過程においてエセフォンを使用すると、色が鮮やかになり腐敗しにくくなるという。またエセフォンは廉価なため零細農家でも利用しやすく、見た目にきれいになるため市場でも高値で取引できるという。例えばトマトなら1ヘクタールで1500キロ収穫できれば3000元の収入になる。そのために使用するエセフォンの値段はわずかに5元だという。もしエセフォンを使わなければ収穫はずっと少なく収入も激減してしまう。
エセフォンを使えば、まだ緑色のトマトが真っ赤になる。しかし切ってみると硬くて味がない。だが店頭では真っ赤なトマトが完熟と認識されて消費者が好むので、山東省や安徽省のある市場では取引されているトマトの100%がエセフォンを使用しているという。
安徽農業大学園芸学院の朱世東院長の話によると、エセフォンは農作物の品質保持と冷害対策として広く使われている。だが南京中医薬大学第二臨床医学院の蔡建偉教授は国で認められてはいるが、過剰な使用は人体に悪影響を及ぼす可能性が大きいと言う。
国の定める<食品中農薬最大残留限量>によれば、エセフォンの残留基準はトマトでは1キログラムあたり2ミリグラムまで、使用はトマト、熱帯および亜熱帯の果物、綿子の3種類に限らてている。
国家農業部門では残留農薬の検出に力を注いているが、成長ホルモン剤のエセフォンは農薬ではないため、現状では使用の有無も度合いも検出が困難だ。無農薬野菜でもエセフォンの使用については不透明な部分が大きいという。
噴霧すると緑のトマトが赤くなる。そんな手品のようなことが人体にとって無害とはとても思えないのだが。
(aoyun) |
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