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【サッカー】

浦和、痛恨ドロー 後半ロスタイムにPK献上

2011年7月18日 紙面から

◇J1第5節・第2日(浦和1−1磐田)

 動けない。終了の笛が鳴り響くと、直前に痛恨のファウルを犯したスピラノビッチはピッチに突っ伏したまま、おえつした。GK加藤に促されてやっと立ち上がり、身長193センチの大男は肩を落としながらピッチを引き揚げた。歓喜に沸く敵方、サックスブルーの輪とは切ないほどのコントラストを描いた。

 後半48分にPKを決められ、勝ち点が目減りした。試合中の空中戦で、スピラノビッチは磐田・前田から“肘打ち”を少なくとも3度は受けた。鼻血も出た。そして最後はその前田を倒してPKを献上するという“踏んだり蹴ったり”の結末。今季初連勝、敵地初勝利も吹き飛ぶ非情な幕切れに、ペトロビッチ監督も「落ち着くまで何を言ったらいいのか分からない」と苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、言葉を絞り出した。

 手向けの勝利は目前だった。試合当日朝、浦和の初代監督を務めた森孝慈氏が亡くなった。主将の鈴木は「この場で僕たちがサッカーをできるのも森さんがいたから」、プライベートでも親交があった山田暢は「レッズにとって大事な人を亡くして、すごく悲しい」とうつむいた。

 喪章をつけてプレーしたが、その思いを白星としては届けられなかった。チーム再興という課せられた命題を果たす理由が、また一つ増えた。 (松岡祐司)

 

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