浦和初代監督の森孝慈氏死去…メキシコ五輪銅、日本代表監督務める

１９８５年５月、日本代表メンバーに指示をする森孝慈監督（左）（右は加藤久主将）

　浦和の初代監督を務めた森孝慈（もり・たかじ）氏が１７日午前９時２１分、腎盂（じんう）がんのため、都内の病院で亡くなった。６７歳。３年前から喉頭がんの治療を受けており、体調を崩していた。

　森氏は現役時代は技巧派のＭＦとして活躍。日本代表として１９６４年の東京五輪に出場、６８年メキシコ五輪では釜本邦茂氏、杉山隆一氏、横山謙三氏らを擁したメンバーで銅メダルを獲得。７７年に引退後、８１年に代表監督に就任。８５年のＷ杯メキシコ大会アジア最終予選では韓国に敗れ、惜しくも日本初のＷ杯出場を逃した。

　代表監督を退いた後、三菱自動車サッカー部のプロ化、浦和をホームタウンとする業務に奔走。浦和レッズのＪリーグ参戦に尽力し、９２年には初代監督に就任、２年間監督を務めた。９５～９７年は横浜Ｍのゼネラルマネジャー（ＧＭ）、９８年には福岡監督を務め、０２年、浦和ＧＭとして再び戻り、数々のタイトルを獲得し、０６年１月退任。退任後もたびたびスタジアムや練習場を訪れ、スタッフや選手、ファンと笑顔で会話し、浦和の街を誰よりも愛した。

　浦和はこの日の磐田戦（エコパ）で喪章をつけてプレー。柱谷幸一ＧＭ（５０）は「午前中に知り、びっくりした。（６月１１日の大宮戦の）ダービーでお会いした時は退院されてお元気そうだったが…。私が１８歳からコーチ、選手として指導していただき、すごく思い入れが強く、いろいろな相談も聞いてもらった。本当にショックです」と話した。浦和は２３日の甲府戦（埼玉）の試合前に黙とうを行う予定。

　◆２１日通夜　通夜は２１日午後６時から、告別式は２２日午前１１時から、いずれも東京都世田谷区瀬田３の６の８、公益社用賀（（電）０３・５４９１・７５２０）で。喪主は妻・晴美（はるみ）さん。