ヘッドライトの白色LED

(ナショナルBF-182改)

---

○ 燃える改造魂

最近のやつらのヘッデン(ヘッドライト)ときたらやたらと小さく、軽い。そして電池も長持ちときているから憎たらしい。ヘッデンの相場は重くてかさ張って電池をたくさん食うものだ!あの青白い光はいったいなんなんだ!くそ−・うらやましい。

というわけで15年は酷使している我、愛機!ナショナルBF-182(以前はヘッデンといえばこれだった。)にスペシャルチューンを施し、はやりの白色LED化を思い立った。まさにヒマ人ならではのアイデアだ。

ノーマルBF182

 

○ 設計趣旨と仕様

     見た目はそのまま、羊の皮をかぶった狼にする。

     光源は流行の白色LEDにする。

     ノーマル電球より電池を長持ちさせ、かつ同等の明るさを維持する事。

     市販のLEDタイプ保持者をギャフンを言わせられる事。

  白色LED

 

 

○ 設計

     光源は入手できる白色LEDの最も高照度のものを4個使用し、ノーマルの電球ソケットに直接取り付けられるアッセンブリにする。LED4個のわけは、市販タイプはLED3個が多いので優越感を味わうため。電圧の関係から並列とする。

     白色LEDを光らせるには3.6V〜4.0Vの電圧が必要。ノーマルは単三電池2×2の直並列の3Vなので電池ボックス内の配線を1×3の直列にして4.5Vに昇圧する。しかしこのままだと過電流が流れ、LEDが焼損してしまう可能性があるため、電流制御の抵抗器を回路に直列に組む。この抵抗値は中学の理科で習ったオームの法則で算出する。

MAXを1LEDあたり4.0V 30mAとすると。

MINを1LEDあたり 3.6V 20mA とすると。

4.5V−4.0V / 0.03A×4個 = 4.12Ω

4.5V−3.6V / 0.02A×4個 = 11.3Ω

この範囲の抵抗値で、明るさとLED焼損のリスクの妥協点を探る。今回は実験をしながら6Ωで落ち着いた。

 

○ 製作

球切れのノーマル豆電球を台座とガラス部分を指で根気よくもぎ取り、台座の中をよく掃除する。

中心のハンダ付け部分はキリで穴を開ける。

LEDを並列で極性に注意して台座にハンダ付けする。中心電極と外側がショートしないよう注意する。点灯テスト後、エポキシ樹脂でLEDと台座を固定する。

電池ボックス内の配線を変更し抵抗器を配置。これもエポキシで固定する。抵抗が2つ見えるが10Ωと15Ωの並列で6Ωとしている。もちろん6Ω一つでもかまわない。

エポキシが乾いたらすべて組み上げる。反射板の穴をメタルスクレイパーでLEDに干渉しないように少し広げる。これで完成!

 

○ 使用テストと評価

LED 改造後

少しくたびれた電池を使用。ムラが少ない。電池新品時との照度の変化は少ない。

ノーマル改造前

少しくたびれた電池を使用。スポットは効くがムラが多い。電池新品時の爆発的な明るさは、すぐなくなる。

我ながらかなりの出来栄え!明るさもノーマルとは質が違い比較は出来ないが、かなり明るい。持続時間は実際フィールドテストしたわけではないが、単純計算で18時間45分、ノーマルの6時間の3倍以上。電池1本あたりの持続時間、つまりランニングコストは4倍向上!使用電池も4本から3本になったので軽量化ができた。

 

○ 製作費用

1300円

現在は白色LEDは特許の関係で価格は高いが今後は他色のLED並に安くなるだろう。ということだ。

 

○ フィールドレポート(2002年11月21日追記)

先日、飯田市郊外の虚空蔵山のナイトハイクとキャンプに使用したところ、かなり良好な結果を得た。ノーマルや他の電球タイプよりも全体をムラなく照らすことができ、市販のLEDタイプよりも明るいのでヘッドライトとしての実用性は申し分ない。しかし遠くをスポット的に照らす事はできない。