・はじめに
以下は梅沢和木氏の作品について起こった「キメこな問題」を前提としています。
参照:
「5分で分かるキメこなちゃん盗作問題のまとめ」
http://blog.livedoor.jp/ftbplus/archives/51774479.html ※前提としてこの記事は客観的な編集ではないことを主張させていただきます
梅ラボmemo? 「うたわれてきてしまったもの」
http://d.hatena.ne.jp/umelabo/20110524
また、本文章は、「カオス*ラウンジ」のあり方についての私藤城嘘の個人的なお願い・謝罪・立場表明です。
・「カオス*ラウンジ」及び「キメこな問題」、藤城嘘・黒瀬陽平・梅沢和木にご意見のある方へ
「カオス*ラウンジ」に過去参加いただいた方、関連企画に参加された方、参加されている方、以上の方々はご好意で作品を提供してくれていました。
「カオス*ラウンジ」は必ずしも全員が一丸とした目標を持ったり、理念を共有している団体ではありません。
主催者である藤城嘘・黒瀬陽平の二名が中心となり、展示・企画毎にこちらのお誘いで作家さまを誘っておりました。
理念や意見の共有は、主催者と梅沢和木等の積極的な協力をしていただいた数名で行われていたというのが事実です。
運営の責任は黒瀬陽平・藤城嘘の両名にございますので、ご意見・クレーム等ありましたら「カオス*ラウンジ」について過去の関係者個人へでなく、まずこちらへお寄せ下さい。
info@chaosxlounge.com
・カオス*ラウンジでお世話になっていた、お世話になっている皆様へ。
梅沢の「キメこな問題」が影響し、様々な方からご意見をいただく一方で、問題の本質には関係のない悪意ある攻撃が何名かの関係者へ降りかかるようなことが起こってしまいました。
今回梅沢の作品の創作性の主張を重視した一方で、この事態へ至ってしまったことについての皆さんへの責任について考えることが遅れてしまったというのが事実です。
この度は私、藤城嘘の無責任な振る舞いでご心配・ご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ありませんでした。
対応があまりに遅い、というお叱り・お怒りはしっかり受け止めさせていただきます。
一昨年に黒瀬陽平との共同企画を決意してから、また去年4月「カオス*ラウンジ2010」プロジェクトを始めてから、私はずっと「カオス*ラウンジ」の方向性についてを決断できずにいました。
それは「キュレーター」「主催」「アーティスト」「プロジェクト」「企画」「展示」「アート」などなど、あまりに既存の言葉にあてはめようともがき続け、「本来私がやりたかったこと」の核を見失い、企画を進めてなんとか成功を掴もうとしてのことでした。
昨年については、経験の機会を逃すまいと、とにかく前へ前へとプロジェクトを進行することに集中しすぎて、作家の皆さんの連絡の行き届きの不全や、皆さんを不安にさせるような企画進行を行い、その後の説明責任も果たせずにいたことをお詫び申し上げます。
それは時に、多くの考えの揺らぎを生み、様々な問題に対してその場しのぎの対応をし、結果ここまで皆さんに迷惑をかけることとなりました。
作家としての黒瀬さんからの期待も何度か裏切っていたかもしれません。
お世話になっている皆様には関係者説明会開催の旨をお送りさせていただいているかと思いますので、
その際にまた改めてお詫び申し上げ、今後のビジョンについてきちんとお伝えさせていただきたいと思います。
・キメこな問題を通しての私の立場表明
まず第一に、「キメこな」という多くの匿名の人によって作られたキャラクターを作品の主題として使うために、安易に出自先のURLを晒して、結果某所を著しく荒れさせてしまったことについて、梅沢と共にお詫び申し上げます。
この謝罪に対してご納得いただけるかは皆さんの判断に委ねるところでありますが、私の立場から責任がとれるのはここまでとなります。
画像データ、というものはその性質上、ネットのあらゆる場所へ流出するものです。
すべての画像について、いつどこで作られ誰に権利があるのかを判断することは不可能ですし、その保存や使用は個人の自由となります。
結論から言えば我々はこれからも、ネット上の画像を使用した作品を作り続けていきます。
梅沢の表現は独創性があり表現として十分な強度をもっていて、素晴らしいものである、この考えは変わりません。
彼の作品には膨大な表現の可能性が詰まっています。
この表現を安易に否定することは、私はとても恐ろしい事だと思います。
では具体的に、梅沢の創作の本質について、私の考えを書かせていただきます。
梅沢はネット上の画像を膨大に収集し、その画像のコラージュによって作品を作ります。
第三者の制作したイメージ・画像を許可なく使用するということは、もちろん 創作の原点である権利者の意図にそぐわないことがほとんどです。
しかし、断言しますが、第三者のイメージをベースとして創作することは一般的な二次創作と同程度のグレーゾーンです。
まず、大前提として、梅沢は(無論カオス*ラウンジ自体も)、第三者を偽り、公式を偽ってお金を儲けるために作品を制作している訳はありません。
それはもちろん、その作品を見れば明らかでしょう。
パーツや画像の断片に分解され加工されたイメージは、「公式の発表したイメージ」であることを微塵も想起させません。
法律に関してはグレー。そして、セーフなのかアウトなのかの判断は、権利者が声を上げて初めて決まっていきます。
「自分の好きなキャラクターがバラバラにされて気分を害した」という意見があるかと思います。
それを否定する気はまったくありません。それは個人の感情の問題になり、他人には踏み込めない領域です。
その人の「正義」があります。
しかし、「キャラクターをバラバラにして表現をすること」を"悪"とは言えません。
大好きなキャラクターを、刻んだり、絵の具を上から塗り重ねたりして愛を表現する人がいることも事実であり、これもまた他人の干渉できない「正義」の問題です。
こんな暴力的な表現は作者のリスペクトが感じられないし、同人誌と一緒にされては困る、という方がいるかもしれませんが、一方同人世界の例を挙げれば、アニメのキャラクターを凌辱し性的暴力を奮うような漫画が作られ、それが大ヒットしている例もあります。
どちらの方がリスペクトがある、という天秤にはかけられない。
人気のある二次創作の中に、第三者から見てこれが果たして作者への愛だろうか、という作品は挙げようと思えば山ほどあり、その度合いにグラデーションがあるだけで、単に全て二次的な創作物だ、というのが客観的な考えかと思います。
丁寧にキャラクターの創作イラストや漫画を作って楽しむ人もいる。
キャラクターの画像を加工してカットして新しいイメージを作って楽しむ人もいる。
二次創作はそれを文化として正当に評価し、自由な表現ができるような制度ができるべきです。
善と悪が決まるのは、同じ正義を共有する人たちの中だけです。
私は、違う正義を持つ方には、梅沢の創作性の主張をすることによってある程度のご理解をいただくしかないと思っています。
では、作品の創作性や完成度についてのお話をします。
梅沢の作品を一目見た方の中で、「これくらいのコラージュは誰にでもできる」という意見は多々あるものです。
しかし、人間が行っている以上そこに"個性"や"人間性"が現れます。
コラージュは"編集"作業です。
例えば、まったくなんの変哲もないリンゴを、10人で描けば、10人でまったく違う絵になります。それが"個性"の一つのあらわれです。
「コラージュ」「編集」も同じことと思います。編集は、人の手によって様々な世界を結び、編んでいく作業。
選ぶ素材、切り取り方、置き方は千差万別で、「一定の素材を組み合わせて作るイメージ」は、理論上無限にあるとも言える。
そしてそれは個人の記憶や知識・感覚(センス)に大きく左右されるのです。
余談ではありますが、私は梅沢に、私が選んだ画像のみを使って作品の制作を依頼したことがあります。
最終的に出来上がったものを見て、私は考えもしていなかった体験をしました。
出来上がった作品は、1ドット単位でどんな画像が使われているか把握できるのです。画面の端から端まで、まるで私の脳が届くような感覚でした。
ゼロからコラージュ制作をして、画面のすべてをコントロールしている彼は、普段の作品においても、私以上の感覚を体験しているのだろうと思いました。
保存、選択、切り取り、移動、配置。作品内の画像の歴史全てが彼の脳に記録されているといって過言ではありません。
断片を指さしたり、元ネタを聞けば、彼は何をどのような意図で使ったかを喜んで紹介してくれます。
私はそこに、元画像への愛を感じられずにはいられません。
では、皆さんが「これでアートと言えるなら俺もアーティストになれる」と思われるなら、その通りだと思います。
ただ、職業として美術家をやっていくのには、その場のワンアイデアでは無理です。
また梅沢を例に挙げますが、彼は大学の卒業年前後から既存の画像をコラージュする手法をはじめ、これまでの4年間、その手法に絞って研究を重ねてきています。
それを長期間、時には人生すべてを使って継続できるかが、美術家の才能・実力の判断にも繋がります。
数十万画素の画像や、12GBの画像ファイルのとり扱い、数メートル四方の巨大な出力の方法、コラージュの構成、使用する画像の選択。
アーティストはアスリートのように、環境の構築に時間を費やし、自分の感覚に磨きをかけて、独自の作品を作っていきます。
創作を経験している方になら分かるかも知れませんが、絵はほんの0.数ミリ単位で印象が変わってしまうものです。
パソコンに向かって、数ドットのコントロールで絵を作り上げていくことは、それこそ経験によって養われることで、膨大な経験を積むことによってしか見えてこない、という部分は、必ずでてくるのです。
それがどんなものなのかは、追及しないと、永遠に見られないものになります。
完成作品の好みは人それぞれとはいえ、その作品制作が一筋縄にいかないことは分かって欲しい。
アート作品としての価値はどうか、という考え方もあるでしょう。
やはり美術史上で既存のイメージの引用というと、シルクスクリーンでイメージを転写する作品を作るアンディ・ウォーホールや、既製品の便器にサインをして作品だとしたマルセル・デュシャンが有名でしょう。
(私はむしろ、一般の意見がこういった例を挙げるときに、その引き出しがいつも、活躍が約50年前にもなる彼等で止まっていることを残念におもいます。)
もちろん、美術を分野に活動していればウォーホールやデュシャンの存在はあまりにもメジャーですし、彼等の出現から何十年という年月の中で、世界中の何千何万人という美術家が、その作品を一度は真似たり、応用したりしてきたでしょう。
美術を勉強している身にとっては、本当に分かりきったことです。
ではイメージのコピーを作品にするのはちっとも新しくないじゃないか、と思われるかも知れません。
美術の分野において独自の表現や新しさを求めるなら、まず自分の今生きている場所と時間について考えるべきです。
梅沢は"キャラクター"と"画像"をテーマにすることで見事な解決をしています。
日本の特殊なインターネット文化、キャラクター文化、オタク文化を、"オタクの視点"からコラージュとして組み合わせています。
今、日本だからこその表現であるのに加え、出来上がった作品はネットワーク構造そのものを思い起こします。
小さな小さな断片だけになったキャラクターからも、不思議とキャラクターのイメージがパッと浮かび上がったり、そこから連想ゲームのように違う作品のキャラが並んだり、色が連鎖していったり、と、ネットサーフィンをするかのような視覚的な楽しさを体験させてくれます。
時に画面の上に塗られるアクリル絵の具や、接着されたフィギュアの断片は、それが幻想のイメージではなく現実にある物質の集合であることを、目を覚ますようにふっと思い出させてくれます。
同じテーマで制作をする美術家も他にいるかもしれませんが、デビューしたての美術作家の中であれば梅沢はダントツだと、私は本気で思っています。
画像だから、というひとつの単位の中で、キャラクターでも実写人物でも記号でも図形でも具象でも抽象でも、あらゆるものをひとつにしてしまう。
このあまりに暴力的ともいえる表現と、情報の密度は、圧倒的といえます。
それは、この大量の画像のコラージュという手法でなければ、絶対に絶対に、見られないものです。
「グレーゾーン」を叩き潰すことは、即ち可能性の芽を叩き潰すことに等しい。
私はまったく安全なところから問題を投げかけたりするつもりはありません。しかし、表現を妥協して活動する気もありません。
デジタルコラージュの可能性に賭け、「誰もが見た事もないイメージ」「高次元のビジュアル」が生まれることを信じている。
だからこそグレーゾーンにおける活動を支持するのです。
「アートだから許される」「アートは偉いのでOK」というようなことは全く言うつもりはありませんし、思ってもいません。反吐が出る意見です。
私はグレーゾーンにおけるあらゆる創作活動に、正当に価値を認めるだけの可能性が秘めているし、素晴らしいと思っています。
アニメの二次創作漫画から、ニコニコ動画のMAD作品。それが生まれるコミケや動画サイトのような土台とコミュニティ。
これらは私達に思いもよらない体験や、感動、思わぬ発見をさせてくれる、これが本来の芸術だといいたくなるようなエネルギーを持っています。
もちろん、他所の作品をそのまま横流しで販売してしまう「海賊版」、さも自分で努力して描いたかのように見せる「トレス」、作者を偽って手柄を横取りする「転載」。
このように他の努力をさも自分の仕事であるかのように"偽る"活動はしかるべき処分を受けるべきだと思います。
開き直ればいいと言いたいわけでなく、やはり争点はその仕事がいかに純粋に文化を尊敬して表現できているか、という部分にかかっていると思うのです。
作品に値段をつけて流通させる、という点に、不誠実さを感じる人も多いかも知れません。
しかし、私は以上のような表現力と可能性を秘めた美術作家にこそ、職業としてのアーティストの資格を持ってほしい。
多くの自称美術家を敵に回すかもしれませんが、私が常々思うのは、ただキレイとかカワイイとかカッコイイを求めて制作をしているようであれば、ただの趣味だということです。
もしくは、誰かに何かを伝えるためのデザインやイラストレーションを制作しているといえます。
(趣味で絵を描いている人やイラストレーター・デザイナーをバカにしているわけではありません。対象は職業としての美術作家を名乗る人の中でのことです。)
自分自身が本当に表現したいことを考え、発見した問題について作品という形で表して、それを社会への還元していくのが、職業としての芸術家なのではないでしょうか。
しかし実際、今の日本の美大生・美術家には、職業として美術家をやっていくつもりがあるのかよというのんきな人間が山のようにいるのは事実で、それは大変嘆かわしいことです。
学費や制作にお金ばかりつかう癖に、社会や世界と向き合わない。そんな人は実際に溢れています。
現代美術というものも、まだまだ狭い業界内で騒ぐだけで終わっていて、若者の元にも降りてきやしない。
「アート」という言葉に信頼がなくなるのも当たり前の現状があり、私はそれを疑問に思うし、変えていきたいのです。
私は今後も梅沢のアーティストとしての活動を全力で応援しますし、私自身も様々なイメージを引用して新しい表現を目指すつもりです。
ここまで細かく梅沢の作品がいかに価値があるかという根拠に成りえることを主張させていただきました。
それでも今まで書いた、上記のような創作のあり方が絶対にあってはならないものだ、と思われるなら残念です。
納得がいかない方はご意見をいただければ幸いです。
では実際に梅沢の作品は存在意義があるのか、梅沢の作品に価値はあるのか、価値が出るのか?
ここまでの主張がそれを完全に保障しているとは思いません。
梅沢の作品の価値は、その作品を見た人たち一人ひとりが決めることです。
ネットと表現について深く考える人や、美術について興味のある人達などなど、それらの誰からも必要とされないなら私たちがどう頑張っても、忘れ去られて、自然消滅することになるでしょう。
その作品の魅力を語る以前に、犯罪だときっぱり結論が出れば、その作品は消えていくでしょう。
もちろん、梅沢の作品を楽しんでくれる人がより増えれば、同時に、多くの人が納得する二次創作のあり方やシステムが生まれていくだろうと思います。
私は後者の世界を目指し、これからも精力的に活動したいと思っています。
客観的ではない主張で、感情にもまみれた文章だったかもしれませんが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
引き続きこの問題について私自身も深く考え、勉強させていただこうと思います。
今回の記事は以上です。
『(≠ゃラ>∀<ナニ=)ノシ』 [kˈærəktɚ] 展
presented byアトリエ新松戸・藤城嘘(カオス*ラウンジ)
会場:松戸 ゲイツイン ギャラリー宇 ( http://www.gates-inn-gallery.com/ )
会期:2011年3月22日(火)〜4月3日(日)但し3月28日(月)休廊
OPEN:11:00〜18:00
作家を囲む懇親パーティー:3月26日(土)17:00〜19:00
出展者(敬称略):
一輪社
蚊に
みつご
〜〜〜
『(≠ゃラ>∀<ナニ=)ノシ』に寄せて
今回、美術予備校であるアトリエ新松戸代表岩崎秀太さんよりOBとして是非展示を、とお話をいただき、アトリエ新松戸と親交の深いゲイツインギャラリー宇さんで展示会をさせていただく運びとなりました。
まず国分寺mograg garageで開催する『カオス*ラウンジvol.3』(2011年3月3日〜3月27日)とちょうど同時期に展示があることから、mogargでは多くの人を集めた賑やかで圧縮された展示を、ギャラリー宇ではテーマを決めた少人数の展示らしい展示を、ということを決めていたんだけども、過去にカオス*ラウンジに参加していただいていた作家さんから今特に気になる作家をピックアップしつつ、自作について考えていたところ、今回のテーマの根幹でああ”Character”というところに行きつきました。
とは言っても『カオス*ラウンジ』ではwebの繋がりや情報が重要なワードとなっているので、もともと展示では、各々が自分なりに解釈したアニメキャラの二次創作や、自己投影をしたような少女などの”キャラクター”は作品に多く登場していたし、ましてや”キャラクター”というごく凡庸すぎるテーマに行きつくのは「今さら」感すら漂う。
今回の”Character”というテーマは、当たり前のように使っている「キャラクター」というワードには、「文字」「記号」という意味があるんだという、これこそ当たり前の事実を改めて認識したことに端を発しました。
私は個人的に絵を描くときの”線”が作り出すフォルムがとても好きなんだけれども、同時に普段何気なく字を書くのもなんとなく楽しく思っていました。思えば幼児の頃から漢字が大好きで、別に特別誇れるような資格ではないが漢字検定もとりあえず2級まではとっているんです。
自分は、自分で「何故漢字が好きでいるか」ということをよくよく考えていたのですが、その答えはずばり”Character”にありました。漢字というものはそもそも甲骨文字・金文文字などから始まり、様々な変遷をたどり進化を遂げた”キャラクター”なのです。たったひと文字にも原点があり、沢山の意味を内包し、数百年数千年の時間を背負って、今なお使われ続けているんです。
今の時代なら容易に擬人化さえできてしまうのではないだろうか。さらにそして、その歴史を背負いしキャラである漢字のみならず、ひらがなカタカナまでもを複雑に使いこなす日本人だからこそ、”キャラクター文化”が自然と隆盛したのではないかと思ってしまうくらいであります。
その一方でその歴史を断絶して無意味に使ってしまう「顔文字」「絵文字」の文化や、web上の情報に特化した文化から生まれる「ネットスラング」なども興味深い。こちらは記号と文字の中間としての”Character”と言えるのではないでしょうか。日本のweb上では、日々アニメキャラ(Character)が記号(Character)として切り取られ、個人(Character)のアイコン(Character)となる。”Character”から想像を広げていくと無限に扉が開いていくのです。
『(≠ゃラ>∀<ナニ=)ノシ』展では、私の個人的な興味のある分野である”文字”を意識して、その延長線上で”Character”を作品内で扱う作家5名に参加いただきました。
思いもよらぬ描線で、少女を感情的に描き出す一輪社。キャラクターをひたすらに分解し、過剰なコラージュによって作品を作る梅ラボ。マンガという形式すらパクってしまい、独自の世界観を創る蚊に。直線や記号などをデジタルな感覚でつむいでいく二艘木洋行。確かな描写力で少女を描き、華々しい記号による空間を創りだすみつご。展示タイトルはギャル文字「(≠ゃラ<ナニ=」の中に顔文字の要素を織り交ぜたものになっています。
もちろん参加した作家の全員が全員、強く「キャラクター」を意識して制作を続けている訳ではまったくありません。やはり展示を作る上で心がけたのは、より良い画、より良い作品によるヴィジュアルです。”Character”という語をバックグラウンドにしたとき、この作品群から何が見えてくるのか、私と一緒に考えてみて欲しいというのが、この展示に寄せる思いです。
この展示が作家それぞれのステップアップになり、来場者さまがたの頭をちょこっとでもくすぐるようなものになればと、私は願っています。
〜〜〜
明日3月26日、レセプションです!!!
17:00〜19:00「作家を囲む懇親パーティー」が行われるので皆さんレッツ懇親して下さい。
私に加えて梅ラボと蚊にさん+ゲストDJにtomadくんが来てくれます!
お菓子も買いました!これで人集まらなかったらどうしようかしらてへぺろ!きてね!
ギャラリーから徒歩1分くらいのところにグッドスマイルカンパニー社さんのグッスマカフェがあるよ!
今「Panty and Stocking with Garterbelt」展がやっているのでそちらも是非。(丁度会期も被ってるし!)
松戸で会いましょう〜
カオス*ラウンジ・藤城嘘の企画で、2011年3月には二つのグループ展を開催いたします。
『カオス*ラウンジvol.3』展
会場:国分寺 mograg garage ( http://mograg.com/ )
会期:2011年3月3日(木)〜27日(日)
OPEN:14:00〜20:00(毎週、月・火・水はお休みです)
レセプションパーティーが3月5日にあります。
出展予定者(敬称略):
荒渡"MAGMA"超巌 / あんこ / 植草航 / 梅ラボ / SOE / 似非原 / エナ / Ω / おもちのさなぎ。 / 加藤旅人 /
神谷アルテ / 久保 / くろ谷はるむ / コイワイソウイチ / 琴葉とこ / ざいん / しーく / CKS / θθθ / しきみ /
地獄底辺 / 白樺 / すずきすずかず / だつお / CYON / nini / ニャロメロン / neko / はいゆに / pica /
ヒコ / 百頭たけし / 平目 / 藤川さき / 藤城嘘 / 藤ちょこ / ボルタネクスト5 / 松本慶祐 / 水島絵美 / 美知雄 /
みり / 藻々子 / モリック / 山口雨 / 夕暮あかね / Leica / りょーの / リリカルロリカル and more?...
『(≠ゃラ>∀<ナニ=)ノシ』[ kˈærəktɚ ]展
exibition by藤城嘘(カオス*ラウンジ)produced byアトリエ新松戸
会場:松戸 ゲイツイン ギャラリー宇 ( http://www.gates-inn-gallery.com/ )
会期:2011年3月22日(火)〜4月3日(日)
OPEN:11:00〜18:00(3月28日(月)休廊)
作家を囲む懇親パーティーが有ります(日時未定)
出展予定者(敬称略):一輪社/梅沢和木/蚊に/二艘木洋行/藤城嘘/みつご
mograg garageさんはカオス*ラウンジはじまりの地であり、「毎年一発目はカオス*ラウンジにしよう!」という恒例行事的なところもあり、2008年・09年を超える50人前後の作家さんによるグループ展を企画いたしました。
mograg garage住人でアーティストの沖冲さんも以下の紹介文を寄せていただいています。
"mogragカオスもいよいよ3年目!
発足以降、様々な才能とともに幅広い展開を見せている企画『カオス*ラウンジ』の
まさにルーツともいえる本シリーズ。セレクターの藤城嘘が日々ネットを巡回しては、
自らの琴線に触れる絵師をmograg garageという小さな現実空間に引き出す事で発生するビジュアル宇宙。
そのカオティックなマダラ模様に焦点を合わせると、さまざまな可能性が像を結び、
ビジュアルコミュニケーションの新たな地平を指し示す!!"
(展示DM・公式webサイトより)
今回はポストカードくらいのサイズで作品を募集しており、12月の展示を引き継いだ、目の前を埋め尽くすイメージ同士が会話をするかのような空間ができれば、と考えております。
『(≠ゃラ>∀<ナニ=)ノシ』展につきましては、私がお世話になりました予備校・アトリエ新松戸さんより、「自由に企画展示して下さい」とのご依頼があり、
現在制作において思うところのある"character"というテーマのもとに、カオス*ラウンジ過去参加経験者の皆さんの中から5人を選出させていただきました。
濃厚な情報と文化に囲まれた人にとって"Character"と聞けばまっさきに漫画やアニメの"キャラクター"が浮かぶかもしれません。
しかし"Character"には人物の特性等を指す以外にも、文字・記号という意味もある、ということを改めて認識すると、今まで考えもしないイメージが押し寄せてきます。
本展示は、作品の中に自由に"Character"を扱う作家さんのグループ展です。
完成度の高いものにしようとやる気まんまんなので、こちらも是非。
mogragでは過去参加が一回以下のニューフェイスをたくさん集め、ギャラリー宇ではテーマに見合った実力派作家さんを厳選、といったところでして、
恐らく今後も、積極的に新しいヴィジュアルを取り入れつつ過去に参加いただいた方は自由参加・さらにテーマに見合ったセレクトでガツッとした展示、という形式で藤城嘘カオス*ラウンジは進めていこうかなと考えております。
さて長々と堅苦しく説明しましたが、やはり展示において一番の醍醐味は作品を目の前にして感じるエネルギーだと思います。
是非とも皆さんご友人なども引き連れて見に来てください。祭りだ!!
時期が近付いたらそれぞれ単品で改めて告知させていただくかと思います。
ではでは!
今最も楽しみにしているプロジェクトに、いよいよあと数日で筆を入れていきます。
ご期待ください。
関連リンク:
PUBLIC-IMAGE.ORG 河田将吾 Interview
http://public-image.org/interview/2011/02/10/shogo-kawata.html
旧正月が2月3日ってことで本日2月2日が大晦日で、2010年を締めくくるのに丁度じゃないのってアレです、全然丁度よくないけども。
すっかりブログ書いてないし、色々立場もめまぐるしく変わってるしなので、
今一度活動を振り返って記しておきたいと思います。だ。
■カオス*ラウンジ企画(2010年以降は基本的に黒瀬陽平との共同企画)
2009
3月「カオス*ラウンジ」(mograg garage)
2010
4月 カオス*ラウンジ2010in高橋コレクション (高橋コレクション日比谷)
5月「破滅→再生*ラウンジ」(渋谷 ナンヅカアンダーグラウンド -NZ)
「カオス*ラウンジvol.2」(国分寺 mograg garage)
6月「かおすら!」(京都0000 gallery)
「はめつら!」(大阪・コーポ北加賀屋)
6〜7月「アートバトルロワイヤル」出展 (トーキョーワンダーサイト本郷)
7〜8月「カオス*ラウンジ2010 in 台湾」(ARKI GALLERY)
9〜10月 「再生する崩壊する自我する梅沢和木する ラウンジする画像コアする*ラウンジ」(馬喰町 CASHI)
12月「【新しい】カオス*ラウンジ【自然】」(高橋コレクション日比谷)
2011
1月「荒川智則個展」(トーキョーワンダーサイト渋谷)
■グループ展
2008
9月 GEISAI#11ポストポッパーズ参加
12月 「横浜アート&ホームコレクション展」ポストポッパーズ参加
2009
5月 POST POPPERS 個展(日本橋 art project frantic)
10月 GEISAI#13ポストポッパーズ参加
2010
3月 GEISAI#14ポストポッパーズ参加
6月 二艘木洋行 「直線・コピペ・リドゥ・塗り潰し」内のグループ展 (馬喰町 CULTIVATE)
■個展
2009
6月 「みんな大好き」(日本大学芸術学部)
2010
6月 「a white lie」(中野 Hidari Zingaro)
8〜9月 「モストポダン」 (青山ビリケンギャラリー)
■その他
2009
7月 zineオフにzineを出展 (西日暮里 op.00302)
8月 秋葉原MOGRA ポストポッパーズがトイレ内装担当
2010
10月 ネオコス展 ブランド「まるたん」と「カオス*ラウンジ」がコラボレーショングッズ展開 (ラフォーレ原宿・PARCO福岡)
11月 ニコ生公式番組・アニソンDJイベント「モストポダン」司会担当
トークショー出演とか、コミティア・デザフェス出展なんかは省かせていただきました。
しかしやはり2010年の活動密度の異常ぶりがwとてもありがたいことです。
おかげさまで大学1,2,3年と進んできているはずが、残り100近くの単位を残しており、卒業するとしたら本年が勝負となっております(うまく単位がとれないと7年生決定)w;
村上隆氏と共にお仕事を始め、決別したのも昨年一年間の中での出来事でした。
もう若いからとか、ちっとも言い訳にできない年になって参りまして、
やはり身の振りなどをきちんと考えて行動すること、自分の意思考えに軸を通して且つ幅広く物事を考えていく力をつけることが本当に必要になってきました。
就職やこれからの生活に関しても切実に考えなくてはいけない。「成長」が2011年のテーマになるでしょうか。
一歩一歩がとろい私ですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
クリック→→→http://chaosxlounge.com/atarashiishizen/
概要
ネット時代のアートを生み出すべく結成されたアーティスト集団「カオス*ラウンジ」、2010年最後の展覧会を開催します。
今年4月、同会場で開催された『カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷』では、ネットの中で活動する「オタク=ネット絵師」による展示を行い、さらに続く5月には『破滅*ラウンジ』(@NANZUKAUNDERGROUND SHIBUYA)と題して、「ギーク」と呼ばれるネット中毒者(本業はエンジニア・プログラマー)たちをアーティストとして招聘し、『カオス*ラウンジ 2010』はプロジェクトとして一つの区切りを迎えました。
しかしながら、
ネット絵師とギークのコラボレーションによるカオス*ラウンジの活動はむしろ、展覧会の外側で活発に継続しています。
インターネットと、その向こう側に広がるコミュニケーション空間が、今や私たちにとって「新しい自然」のような存在として日常生活の中に組み込まれている以上、カオス*ラウンジの活動領域はいたるところに遍在し、拡張してゆくはずです。
本展では、「新しい自然」をフィールドとして活動するカオス*ラウンジアーティストたちを再びギャラリー空間へ呼び戻し、2週間に渡る濃密なコラボレーションを展開します。
〜詳しい参加してくださる作家リスト〜
(敬称略)
アバター画・アイコン画(9名):
一輪社、梅沢和木、琴葉とこ、JNTHED、ちくわエミル、智子、にに、藤城嘘、みつご
壁面(26名):
荒渡 “MAGMA” 超巌、植草航、梅沢和木、神谷アルテ、KIMA、コイワイソウイチ、Kotakesiki(VEVEROPPARUUU)、十二の鍵、庄りかこ、スズコ、だつお、てみ、
nyar、長見けいすけ(HATRA)、はまぐちさくらこ、藤城嘘、藤ちょこ、変なドレス、ボルタネクスト5、水島絵美、山口雨、山本悠、y_com、Leica、ルザラ、mossko
他作品展示:
[ギーク・破滅クルー(プログラマー・開発者・ホームレス・ニート)]
akio0911・糸柳和法・似非原・yuiseki・荒川智則
[ファッション・コスプレ]
JUNYASUZUKI・HATRA・VEVEROPPARUUU with enpitu no hito
[音楽(インスタレーション)]
tomad(Maltine Records)
スケブリ
[web制作]
mossko
日程等
会期 : 2010 年12月4日(土) 〜12月19日(日)
オープニングレセプション:12月4日18:00〜
開館時間: 11:00 - 19:00
入場料: 一般 300 円 / 大高生 150 円 ※中学生以下無料
主催・企画: カオス* ラウンジ
展覧会協力: 梅沢絵画教室、オオタファインアーツ、CASHI、高橋コレクション、高橋龍太郎、NEWWAVEch、帆苅祥太郎、三井不動産株式会社、株式会社パントマイム