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このあと日本経済に何が起きるのか?誰も語らない、震災恐慌の怖さ 田中秀臣、上念司

■最悪のシナリオ、震災恐慌を避けるために
2011年3月11日、午後2時46分。三陸沖を震源地とする東日本大震災が発生。津波や火災により、多くの尊い命が奪われました。家族や友だちを失い、家や仕事を奪われ、大切な人と別れることを余儀なくされてしまった方々を思うと本当に心が痛みます。お亡くなりになられた方に、深い哀悼の意を表したいと思います。

今回の被害の規模は徐々に明らかになってきておりますが、最新(4月27日現在)の報道によりますと、死傷者数1万4517人、行方不明者数1万1432人と、近代稀に見る大災害になることは明らかです。また経済的被害の規模も、約20兆円以上に達するという見立てが大勢を占めております。

この20兆円という額は、1995年に日本を襲った阪神・淡路大震災の被害総額の実に2倍になるということを意味しております。また、この被害額はあくまでも最低ラインとしてみなさなければなりません。我々の前途には、原発問題の行方、度重なる余震、不安定な電力供給、また悪しき風評被害など、不確実性の世界が広がっているからです。「最悪のシナリオ」を想定しながらすすむことが肝心です。

しかしこの未曽有の大災害の最中、報道から漏れ聞こえてくる政府の復興対策はあまりにも遅く、稚拙で、あたかも災害がすべて終わったかのような対応です。あるいは原発問題の影響をあえて復興政策から外すなど、問題のある動きが続いています。

仮に震災によって、日本経済全体に20兆円規模の穴が生じたとしたら、政府はその穴を埋めるために、新たな対策を打たなければなりません。でなければ、日本経済全体に20兆円の穴があいた分の被害が伝播していき、ひいてはそのことによる景気の悪化により一番被害を受けるのは、ただでさえ今回の震災で経済的重荷を背負わされている被災された東北地域の方々なのです。事実、1995年の阪神・淡路大震災の2年後の1997年に、日本は大きなデフレ不況を経験することになりますが、そのとき最も不況の影響を受けたのは、震災で弱っていた兵庫県だったのです。

■関東大震災、阪神・淡路大震災の経験 
私たち日本人は近代に入り、1923年には関東大震災を、1995年には、阪神・淡路大震災を経験しました。

そして、関東大震災の4年後に起こったのが鈴木商店の倒産などの昭和金融恐慌であり、さらにその3年後には昭和恐慌が発生。その中で生じた経済不安の高まりから日本は、海外の植民地に活路を見出すべく、第二次世界大戦に突入していきました。

さらに阪神・淡路大震災の2年後に日本は、先進国の中では戦後初の未曽有のデフレ下の大停滞に見舞われています。混乱の最中、その1年後の1998年に日本は、年間の自殺者数がそれまで2万人台だったところから、一気に3万人に達するという事態を引き起こし、その状態がいまだに続いているというあまりにも不幸な状況です。  

東日本大震災を受けた現状の日本経済はまず、被害総額からして少なくとも阪神・淡路大震災時の2倍の損害を被っているということ。また長引くデフレ不況によって大きく経済が毀損していたこと、さらにいまから3年前に起きたリーマンショックにより、より一層景気が悪化していたことを考えると、阪神・淡路大震災時に比べても、二重三重の意味で、大きなマイナスのショックを受けている状態です。震災関連倒産もすでに、阪神・淡路大震災時の3倍にまで達してしまっています。

■恐慌はそしらぬ顔をしてやってくる 
震災後の恐慌状態というのは、一般の人が気づかないような速度で、じわりと背後に迫ってくるものです。昭和金融恐慌が起きたのは、関東大震災の4年後のことでした。日本が先進国の中で戦後初のデフレ不況に陥ったのは、阪神・淡路大震災の2年後のことでした。

そして、昭和金融恐慌と阪神・淡路大震災後のデフレ下の大停滞は実は、震災という自然災害によってもたらされたものではなく、当時の政府と日本銀行による稚拙な経済政策運営によってもたらされたものだったことが明らかにされています。そして今回の政府も、まさに昭和恐慌やデフレ不況に陥ったときと同じ轍を踏みそうな、そんな様相を呈しています。

つまり現在の日本経済は、歴史的に何年も語り継がれることになるほどの大きなショックの最中にいるということです。もし、また今回も、政府と日銀による誤った政策が打たれれば、それこそ本当に恐慌のような状態に突入することさえ考えられる状態です。しかし、関東大震災、そして阪神・淡路大震災時の教訓は、忘れ去られ、語り継がれることなく、マスコミも一切報じてきませんでした。それほどの危機に私たち日本人は瀕しているのです。

だからこそ私たちは「このままでは震災恐慌がくるぞ!」と、声を大にして訴えます。そのことで、結局恐慌が起こらなかったとしても、私たちはそれが誤った警告だとは思いません。なぜなら、私たちが警告を発しなければ、本当にまた日本は、大きな人災である、経済2次、3次被害を受けることになりかねないからです。

多くのマスコミがこの問題を一切報じない中、不幸にも、政府・日銀自体もこの危機に気づいていないかのような反応で、ほぼ平時と変わらない凡庸な政策を選択しつつあります。だとしたら私たちは、自分の身は自分で守らなければいけません。政府と日銀に、声を大にして正しい復興策を要求し続けなければいけません。

■日本に明るい未来が訪れることを願って 
震災でお亡くなりになられた方々に思いを馳せながら、「震災恐慌がくる!」――。
そう叫びながらも、日本に恐慌がこないことを、そのために、正しい経済復興策がとられることを、そして、日本中が負った震災による心の傷が癒えることを心から願って。
私たちは先人の知恵を借りながら、「震災恐慌がくる!」――そう、声を大にして叫びます。

                                            上武大学ビジネス情報学部 田中秀臣
                                    デフレ脱却国民会議事務局長・経済評論家 上念司

                         ――『震災恐慌! 経済無策で恐慌が来る!』(宝島社)「まえがき」より

震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!
著者:田中 秀臣
販売元:宝島社
(2011-05-20)
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【本の内容紹介】
震災後には何が起きるのか!?
関東大震災後には昭和金融恐慌が、阪神・淡路大震災後には、戦後初のデフレ不況が襲った!


1923年、関東大震災発生。被害総額50億円〜70億円。4年後、昭和金融恐慌、さらにその3年後、昭和恐慌が発生。社会不安が増大する中、海外の植民地へと活路を見出した日本は第二次世界大戦に突入。
1995年、阪神・淡路大震災発生。被害総額約10兆円。その2年後、先進国では戦後初のデフレ不況に突入した。行き場を失った日本は、年間の自殺者数が3万人にまで急増――。
そして2011年3月11日、三陸沖を震源地とする東日本大震災が発生。被害総額20兆円超(阪神・淡路の2倍超)……。しかし、日本政府の動きはきわめて遅く、規模も小さい。またしても日本は震災恐慌に陥るのか。日本経済を知る、田中秀臣、上念司の二人の論客が警鐘を鳴らす。震災恐慌を避けるには何が必要か!?

【目次】
<第1章>    恐慌はそしらぬ顔をしてやってくる
関東大震災と東日本大震災の類似性/関東大震災の4年後、昭和金融恐慌発生/デフレの本当の正体/男子の本懐とはなんだったか/1995年阪神・淡路大震災の教訓/FRB論文――停滞を決定的にした消費税アップ/関東大震災、阪神・淡路大震災から本当に学ぶべきこと…ほか
<第2章>    今、本当に起こっていること
破壊を救えるのは経済政策のみ/本当に無策な政府の復興計画/サブプライム問題のとき、一番苦境に陥った日本…ほか
<第3章>    最悪のシナリオ
考えられる最悪のシナリオ「増税+金融引き締め」/増税で一番苦しむのは被災地/増税すると逆に税収が減る…ほか
<第4章>    資産市場はどうなるか
衝撃はストック市場から実体経済へ/阪神・淡路大震災のとき株価は6か月後に底が/コモディティ市場・原油価格は大揺れ/円高傾向はまだまだ続く…ほか
<第5章>    震災恐慌を防げ!
震災復興べからず集/復興国債を発行し、日銀が買い入れろ!/みんなの収入の回復なくして、財政赤字の削減なし!/危ないマジックワード1.財政規律/危ないマジックワード2.通貨の信認の毀損/国債が暴落する?/政府が財政破綻する2つのパターン/ハイパーインフレがくる?/数パーセントでもデフレを許すな!…ほか

震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!
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