中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機で、配管の金属製のふたが外れて原子炉内に海水が流入した問題で、ふたの厚さが、同時期に建設された同型の施設の半分以下だったことがわかった。同社は15日、ふたの薄さも事故の一因となったとする最終調査結果を発表。5号機の建設時、コスト面などから合理化を追求したことが影響した可能性も示唆した。
海水流入は、5月に菅直人首相の要請を受けた運転停止作業中に起きた。タービンを回した蒸気を冷やして水に戻す復水器内で、配管のふた(エンドキャップ)が外れ、噴き出した水で冷却用の海水が通る細管が破損。海水約400トンが流れ出し、うち約5トンが原子炉内に入ったとされる。
中部電は、事故原因を(1)溶接部のわずかな亀裂(2)エンドキャップの薄さ(3)ポンプの脈動と流水の共鳴による圧力変動――の複合的要因と結論づけた。エンドキャップは内側から圧力をかける検査で、薄くなるほど素材内に生じる力が増える傾向が確認されたという。