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臓器売買:堀内容疑者、トラブル解決に900万円払う

 生体腎移植を巡る臓器売買事件で逮捕された開業医、堀内利信容疑者(55)が、指定暴力団住吉会系組長、坂巻松男容疑者(70)に対し、ドナー(臓器提供者)仲介の報酬800万円を渡す前に、トラブル解決金などの名目で計900万円を支払っていたことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁組織犯罪対策4課は、資金の流れの解明を急いでいる。

 捜査関係者によると、堀内容疑者は当初、ドナー候補を紹介された見返りに同会系組員、滝野和久被告(50)に計1000万円を渡し、昨年6月に板橋中央総合病院(東京都板橋区)で手術を受ける予定だった。しかし、滝野被告から追加報酬を要求されたため金銭トラブルに発展し、手術を断念した。

 堀内容疑者は、旧知の坂巻容疑者にトラブルの仲裁と新たなドナー探しを依頼。この際、坂巻容疑者に▽あいさつ料として100万円▽交渉役の人物の交通費名目として100万円▽滝野被告側に解決金として支払う費用の名目で700万円--の計900万円を支払ったという。

 しかし、坂巻容疑者の指示を受けた人物と滝野被告との交渉が難航したため、900万円のうち700万円が堀内容疑者に返された。その一方で堀内容疑者は、新たなドナーとして石川竜哉容疑者(21)を紹介された見返りとして改めて800万円を渡したという。

 堀内容疑者は組対4課の調べに対し、滝野被告への1000万円の原資を「タンス預金に加え、金融機関から引き出して支払った」と供述しているという。組対4課は坂巻容疑者に渡った現金についても追及している。【川崎桂吾、前谷宏】

 ◇宇和島徳洲会病院2回目の捜索

 警視庁組織犯罪対策4課は16日、堀内容疑者が移植手術を受けた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)を家宅捜索した。事件を巡っては6月28日にも捜索が行われており、2回目となる。

毎日新聞 2011年7月16日 15時00分

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