東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発の運転に反対する全国的な弁護団が初めて結成され、今後、各地で運転停止を求める裁判を起こすことになりました。
都内で開かれた弁護団の会議には、原子力発電所が設置されている県を中心に全国の20の都道府県の弁護士50人余りが参加しました。16日の会議では、定期検査中のトラブルで原子炉を手動で止めることになった関西電力の大飯原発1号機のほか、定期検査中の高浜原発1号機などについて、運転を再開しないよう求める裁判を近く起こすことや、震災のあと建設が中断されている青森県の大間原発について、建設の中止を求めてことし秋に追加提訴することなどが報告されました。原子力発電所を巡って、これまでに起こされた裁判は、最終的には「安全対策に問題はない」などとして、すべて訴えが退けられていますが、弁護団は、現在の国の安全設計の指針が「長時間、すべての電源が失われる事態は想定しなくてよい」としていることについて、重大な不備があると主張していくことにしています。弁護団は、今後も定期的に会合を開き、ほかの原発についても運転停止などを求める裁判を起こすための準備を進めることにしています。