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2011年7月17日3時47分

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関西電力、大飯原発1号を停止 東電は電力融通を検討

 関西電力は16日、福井県の大飯(おおい)原子力発電所1号機(117万5千キロワット)が、午後9時前に運転を停止したと発表した。緊急時に炉心を冷やすためのタンクの圧力が低下したため。ストレステスト(耐性評価)の1次評価の対象となって早期の再稼働は困難とみられ、東京電力は電力の応援融通の検討に入った。

 関電によると、トラブルの発生を受けて16日午後1時ごろから手動停止の作業に入り、約8時間かけて停止状態とした。3月の東日本大震災後、トラブルで停止した原発は、燃料漏れの疑いで5月に停止した日本原子力発電の敦賀原発2号機(同県)に続き、全国で2例目。

 関電では、大飯4号機、高浜原発4号機も近く定期検査に入り、大飯1号とあわせて約320万キロワットの電源が使えなくなる。原発依存度が高い関電で全11基のうち7基が止まり、電力需給は厳しさを増す。

 この夏の電力不足は、直接被災した東電、東北電力管内で深刻化。さらに5月に菅直人首相の要請で中部電力浜岡原発(静岡県)が停止。九州電力玄海原発(佐賀県)の再稼働をめぐる「やらせメール」の発覚もあり、西日本に拡大。震災後、生産拠点などの「西日本シフト」をしてきた企業にとっても、電力不足の拡大は痛手となっている。

 電力各社は余剰電力を融通し合えない状態だ。九電から関西にも300万キロワット弱を送る能力があるが、現状では、ほぼ望めない。

 一方で東電管内では早くから電力不足への対応が進み、企業や家庭の節電効果が高い。東電は、余裕がある日は関西に電力を融通できないか検討中だ。ただし顧客に節電を強く求めながら他社に電力を送ることになれば、疑問の声が出そうだ。

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