野田財務相、たばこと酒値上げは「おやじ狩り」

　野田佳彦財務相（５４）は１６日の横浜市での討論会などで、東日本大震災の復興財源に関し、「たばこも酒も税制を通じた『おやじ狩り』みたいなものだ」と述べ、たばこ、酒の税率引き上げに否定的な考えを明らかにした。消費税率引き上げにも慎重な姿勢を示し、所得税や法人税の臨時増税を中心に検討する意向を表明した。

　野田氏は、復興財源は税収の大きい基幹税を中心に検討すべきだとした復興構想会議の提言に触れ「それが基本形だ」と強調。消費税増税については「社会保障と税の一体改革の中で、社会保障の安定財源として位置付けられている」と検討対象ではないとの認識を示した。

　与謝野馨経済財政担当相（７２）が１３日に、たばこ税なども引き上げ対象にすべきだとの考えを示したことに反論した形だ。たばこ税は昨年１０月に引き上げられ、大半の銘柄で１００円以上も値上がりしただけに、野田氏は「取りやすいところから取るという考えもなくはないが、たばこ税はこの前上げたばかりだ」と指摘。いずれも税収規模が限定的であることを踏まえ「主力にはなり得ない」と明言した。

　一方、菅直人首相（６４）の後継を決める民主党代表選出馬については「私は菅内閣の一員だから次の話をしてはいけない。自分の職責を果たすことに尽きる」。討論会に同席した自民党の林芳正政調会長代理（５０）が、野田氏に対し「菅首相より野田氏が復興のリーダーシップを取ったほうがいい」とエールを送った。

（2011年7月17日06時02分  スポーツ報知）

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