泉、１回ＴＫＯ負け「完敗です…」…ＤＲＥＡＭ

１回、ゲガール・ムサシのパンチを浴びる泉（右）

　◆ＤＲＥＡＭ　ＪＡＰＡＮ　ＧＰ　ＦＩＮＡＬ（１６日、東京・有明コロシアム）　ライトヘビー級タイトルマッチ（ＴＭ）に挑んだアテネ五輪柔道男子９０キロ級銀メダルの泉浩（２９）＝プレシオス＝は王者・ゲガール・ムサシ（２５）＝オランダ＝に１回ＴＫＯ負けし王座奪取に失敗。フェザー級ＴＭは王者・高谷裕之（３４）＝高谷軍団＝が宮田和幸（３５）＝ＢＲＡＶＥ＝に判定勝ちし初防衛。バンタム級日本トーナメントは所英男（３３）＝リバーサルジム武蔵小杉・所プラス＝が制した。

　完膚なきまでに打ちのめされた。これでもかと降ってくるパンチの雨。泉はただ浴びるしかなかった。１回。ムサシの右ストレートに尻もちをつくと、パウンドを落とされ防戦一方。ロープ際で一度は立ち上がったが、セコンドからタオルが飛んで試合は止まった。「完敗です…」。青ざめた顔でつぶやいた。

　一昨年９月のデビューから６戦目。「２年間の集大成にする」。足払いから打撃に移る「イズミ・ショッカー」、相手のふところに飛び込んでパンチを放つ「もりいずみ」といった必殺技を改良して繰り出すも、ムサシの強烈な打撃になすすべなし。連勝も４でストップ。「カウンター、足技を使おうと思ったが、相手のパンチが速かった。強いチャンピオンだった」と、王者をたたえた。

　レスリングで来年のロンドン五輪出場を目指し、その足がかりとなる１１月の全国社会人オープンに出場予定。今後も並行してレスリングの練習を続けるが、メーンはあくまでも総合格闘技。「イチから出直したい」。そう言った目はまだ死んでいなかった。