イオンは16日、高濃度の放射性セシウムを含む稲わらを与えられ、福島県浅川町の畜産農家から出荷された肉牛42頭のうち、仕入れた5頭の肉計319.4キロをグループの5都県14店舗で販売していたと発表した。販売期間は4月27日から6月20日。購入者には返品や返金に応じるが、既に消費された可能性が高いという。
販売したのは、イオンの西新井店(東京都)▽新百合ケ丘店(川崎市)▽ユーカリが丘店(千葉県)▽松任店(石川県)--に出店している精肉店4店と、イオン傘下のイオンキミサワが運営する静岡県と神奈川県のスーパー「キミサワ」など10店。販売量が最も多かったのは、松任店の128.1キロ。販売済みのため、汚染の程度は確認できていない。
イオンは週明けにも、農林水産省が稲わらを牛に与えていないかを調査している11都県産の肉牛について、仕入れ前の全頭検査を独自に始める。また、イオンで扱う和牛は順次自主ブランドに切り替え、肥育段階から管理体制を強化する方針。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)のイトーヨーカ堂も16日から、福島県産の牛肉の販売を見合わせた。汚染の疑いがある肉牛を仕入れたり、販売したりしたかについては調査中だが、政府が福島県内のすべての肉用牛の出荷を制限する方針を固めたとの報道を受けた措置という。【久田宏】
毎日新聞 2011年7月16日 20時56分(最終更新 7月16日 22時44分)