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[事件]ニュース
【震災を歩く】被災地の韓国人たち 「国籍の壁」吹き飛んだ
2011.7.17 08:42
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東日本大震災で世界各国から日本に対する支援が行われる中で、韓国の動向が気になった。特派員としてソウルで3年近く過ごし、その間竹島や歴史問題などぎくしゃくした場面が多かったからかもしれない。
もちろん、実際には韓国は何のわだかまりもないかのように活発な支援を行っている。被災したわけでもない私のところにソウルの友人から食料品や乾電池などが大量に届いたのには苦笑してしまったが。
被災地にも、多くの韓国人が住んでいる。彼らがどんな思いで震災と闘っているのか。仙台市の在日本大韓民国民団(民団)宮城県地方本部に李根●(イ・グンチュル)団長(57)を訪ねた。
魂揺さぶられた
震災5日目、李さんたちは宮城県女川町に入った。目的は民団団員の安否を確認し、物資を届けること。ふだんは地域の日本人との接点がむしろ希薄なだけに、支援対象を団員の韓国人のみと想定していたのも当然といえば当然だった。しかし、高台の女川町立病院から、町の様子をみたとき、何かが変わった。
「身震いするようなすさまじさだった。あの光景を見たら、誰もが被災地のために何かしなくてはいけないと思う」。一瞬にして“日常”が消え去った光景を目の当たりにしたとたん、李さんの中から「同胞」という枠が吹き飛んだ。「国籍も何も関係ない。すべての人を支援しなければ」
民団宮城は石巻市や南三陸町などの避難所で、プルコギやトックといった韓国料理の炊き出しを実施、約3700食を提供した。そのために100人分を一度に調理できる大鍋3個も新たに購入した。
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