塩見　プロ初完投勝利　自己最多１０K

　じりじりと照り付ける炎天下、汗だくになりながら楽天のドラフト１位左腕塩見が最後まで投げ抜いた。初の中４日のマウンドながら、１０５球、６安打１失点に抑え、プロ初完投勝利で今季３勝目。三振もプロ１１試合目で最多の１０個を奪う力投だった。

　「勝って前半戦を終わりたかったので勝ててよかった。テンポよく投げることができた。完投できたことは自信につながる」。勝ち頭の田中以外が完投するのは５月１１日の日本ハム戦（Ｋスタ宮城）で完封した永井以来。連投が続いていた“勤続疲労”気味のリリーフ陣をしっかりと休ませることもできた。

　１０個の三振のうち８個はフォークが勝負球だった。もともと浅く挟んで握るタイプで、これまでは落差の小さいチェンジアップのような軌道だったが、佐藤投手コーチから「腕を早く上げてなるべく前で離せ」とアドバイスを受けた。強く腕を振れるようになって球速も５キロ近くアップすることができた。

　投手出身の星野監督も「前の登板で久々に勝ってもやもやしたものが吹っ切れたんだろう。いい腕の振りをしてた」と目を細めた。チームは４月３０日のオリックス戦（Ｋスタ宮城）以来の３連勝を飾った。孝行息子の塩見の活躍で、５月３日以来のＡクラス復帰が見えてきた。　（鶴田真也）