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金メダリストが物乞いに スーパーアスリート養成の影−中国

サーチナ 7月16日(土)18時42分配信

 2001年の世界ユニバーシアード北京大会の団体競技とつり輪の2冠を獲ったこともある体操界の学生エースだった張尚武さん(27)が、王府井の地下鉄口で物乞いに落ちぶれていたことが、騰訊微博(中国版ツイッター)の呟きがきっかけで判明し、中国各メディアで騒ぎになっている。ツイッターをみて駆け付けた記者らが確かめたところ、確かに本物の張さんだった。国の強化選手であったが、2004年のアテネ五輪の代表選手に選ばれなかったことで引退していた。07年に北京市の体育学校から数万元相当の物品を盗んだ容疑で逮捕されスポーツ界を震撼させて以来、その消息は不明だった。

 報道によれば、張さんは脳血栓で倒れた父親の治療費のために、道行くひとに倒立などの芸を見せて投げ銭を得る日々という。しかし、治療費どころか生活を維持するだけで精いっぱいで、住むところも決まっておらず、生活は非常に苦しいという。

 張さんがかつて所属していた河北省体育局の関係者は「局長だけでなく省の体操重量上げ柔道センターも彼を援助したいと思ったことはあるし、引退の時はいくばくかの金も渡してある。しかしこの種の問題は政策の規定上、解決が難しい」と話していた。

 中国ではスポーツ選手は農村から才能ある少年少女を地域ごとに、公的資金を投じてスパルタ式に教育してゆくケースが多い。体操などは、3、4歳ごろから、家庭から離されて集団生活の中で厳しい練習が課せられ、本物の才能を得るために振るいにかけてゆく方式で、練習を優先させるために基礎学力に問題があり、また、幼少期から闘争心を煽って競争させてゆく教育法によってモラルや公共性を欠く人も多いという。

 このため途中で怪我や成績不良で脱落、あるいは中途引退した後のスポーツ選手は普通の就職や企業は難しく、困窮生活に追い込まれることは少なくないようだ。張さんも少年時代は体操の練習のため、学校にきちんと教育を受けさせてもらえず、また練習中に体を痛めても、完治しないうちにさらに練習をさせられた結果、怪我が悪化し引退せざるを得なくなったことに恨みをもち自暴自棄になった、とメディアに語っていた。

 中国では元重量挙げ女子全国チャンピオンの鄒春蘭さんは、選手時代に服用した男性ホルモンが原因で妊娠できない体になった上、生活も苦しく一時はサウナでアカスリの仕事をしていたことが06年に報じられるなど、スポーツ選手の引退後の困窮がしばしば社会ニュースとなっている。(編集担当:三河さつき)

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最終更新:7月16日(土)18時42分

サーチナ

 

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