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【防衛利権 蜜月の構図】「フィクサー」に捜査の手 永田町で強い存在感2008年7月25日
防衛産業界と政官界を結ぶパイプ役となり「防衛フィクサー」と呼ばれていた。脱税容疑で逮捕された日米平和・文化交流協会専務理事の秋山直紀容疑者(58)。「永田町」では強烈な存在感を示してきたが、特捜部の捜査が迫ってきたことを察知したのか、最近は周囲に「危ないな」と逮捕を覚悟する言葉を漏らしていたという。 「おれは先生方のかばん持ちだよ。フィクサーなんてとんでもない」。秋山容疑者は6月上旬、本紙の取材に笑みを浮かべた。 自著で父について、「長年、陸上自衛隊で勤務した」と記しているが、若いころは防衛の世界とは縁がなかった。学生時代は喫茶店経営や中古車輸入、卒業後はゴルフ用品輸入などを手掛け、高級外車を乗り回した。 政治評論家の故戸川猪佐武(いさむ)氏の書生や故金丸信・元自民党副総裁の側近の運転手を務めたのを足がかりに、当時の竹下派を中心に政界人脈を広げた。 有名になったのは1990年代半ば以降、巨大利権を生むと言われたミサイル防衛(MD)の導入をいち早く訴えてから。94年には「安全保障議員協議会」を立ち上げ事務局長に就任。瓦力、久間章生、額賀福志郎の各氏ら防衛庁長官経験者、与野党の防衛族議員20人余が名を連ねた。 2002年には文化交流団体だった社団法人「日米文化振興会」(現在の日米平和・文化交流協会)の専務理事に。防衛族議員やコーエン元米国防長官、防衛関連企業がこぞって入会した。 集大成は両団体が主催し、03年から日米で年1回ずつ開いてきた「日米安全保障戦略会議」。昨年まで毎年5月に防衛族議員が大挙して訪米。秋には日本で日米の防衛関係者が一堂に会し、シンポジウムや兵器の展示が催された。防衛関係者から「彼しかできない」と感嘆する声もあった。 PR情報
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