福島県浅川町の農家が肉牛に与えていた餌の稲わらから国の目安を大幅に超える放射性セシウムが検出された問題で、鹿野農林水産大臣は、牛の餌の安全対策に不十分な点があったことを認めたうえで、対策を強化する考えを示しました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、農林水産省は東北や関東の畜産農家に対し、稲わらなどの飼料は事故の前に刈り取って屋内で保管されたものに限るよう、ことし3月に通知していました。しかし、稲わらを供給するコメ農家には通知されておらず、今回、福島県浅川町の畜産農家に稲わらを出荷したコメ農家の団体にも指導は行われていませんでした。これについて、鹿野農林水産大臣は閣議のあとの記者会見で、「稲わらの生産は秋で終わるのが一般的で、春まで生産されるとは考えていなかった。飼料などの管理について周知が徹底していなかった」と述べ、牛の餌の安全対策に不十分な点があったことを認めました。そのうえで、鹿野大臣は「反省に立って、周知を徹底することが大事だ。あらゆるルートを通じて徹底していきたい」と述べ、対策を強化する考えを示しました。今回の問題を受けて農林水産省は福島、岩手、宮城、群馬、茨城、栃木、埼玉、千葉の8つの県で、畜産農家に加えてコメ農家も対象にして稲わらの管理状況などについて緊急点検を行うことにしています。