福島 全肉牛農家対象に検査へ
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福島 全肉牛農家対象に検査へ

7月12日 18時45分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島県南相馬市の農家から出荷された肉牛から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題を受けて、福島県は県内のすべての肉牛農家を対象に、牛の肉に放射性物質が含まれていないか調べるモニタリング検査を行う方針を決めました。しかし実施するためには、不足している検査機器の導入やほかの自治体との調整が必要で、課題が残されています。

福島県南相馬市の農家から出荷された肉牛から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題では、この農家が震災後に出荷した17頭のうち、東京と栃木県に出荷された6頭は、いずれも肉に放射性物質が含まれていないか調べるモニタリング検査を受けずに、8つの都道府県の小売業者などに流通していました。このため福島県は、モニタリング検査を強化する方針を決めました。計画的避難区域と緊急時避難準備区域についてはすべての牛を検査するほか、県内のほかのすべての肉牛農家についても、飼育している牛の少なくとも1頭は検査することにしています。しかし検査の強化に向けては課題もあります。福島県から出荷された肉牛は県内外の食肉処理場に搬入され、このうち県内で処理された牛の肉は県内外の3つの機関で検査されますが、牛肉だけでなく豚肉や野菜なども検査するため、検査機器が足りず、原発事故以降検査できたのは28頭で、全体の数%程度にとどまっているということです。また、県内の肉牛のおよそ9割が搬入されている東京都など県外の食肉処理場では、検査は処理場のある自治体に委ねられ、原発事故以降、検査できたのは全体の1%にも満たないとみられます。このため福島県は不足している検査機器を新たに導入する方針ですが、県内すべての農家を対象にモニタリング検査を実施するためには、ほかの自治体との調整も必要で、実現には課題が残されています。