福島県浅川町の農家が肉牛に与えていた餌の稲わらから国の目安を大幅に超える放射性セシウムが検出された問題を受けて、細川厚生労働大臣は福島県内での肉牛の全頭検査の範囲を広げることを検討するとともに肉の流通経路の解明に全力を挙げる考えを示しました。
この問題は、福島県浅川町の農家が肉牛に与えた稲わらから最大で国の目安のおよそ73倍に当たる1キログラム当たり9万7000ベクレルの放射性セシウムが検出されたもので、この稲わらを餌にしていた肉牛42頭が東京、横浜、千葉、仙台の4か所の食肉処理場に出荷されていました。福島県は、これまで計画的避難区域と緊急時避難準備区域にある農家を対象に肉牛の全頭検査を行う方針を示しています。これについて、細川厚生労働大臣は15日の閣議のあと、問題の稲わらを与えていたのがこれらの区域ではない浅川町の農家だったことから「全頭検査の範囲を広げることを検討したい」と述べました。さらに、42頭の肉の流通経路について、福島県と協力しながら解明に全力を挙げる方針を示しました。