北九州市は13日、千葉県流山市のごみ焼却施設で発生した焼却灰から1キロ当たり2万8100ベクレルの放射性セシウムが検出されたため、同市からリサイクル用の灰を受け入れている戸畑区の廃棄物処理業「光和精鉱」に対し、受け入れ停止を指導したと発表した。市循環社会推進課によると、光和精鉱の工場内にある灰の処理過程で出るかすを調べた結果、放射線量は0・2マイクロシーベルトで、人体には影響ないレベルという。
流山市は11日、環境省の要請を受けた調査で高濃度の放射性物質を検出したと公表。東京電力福島第1原発事故の影響とみられる。調査結果について北九州市には連絡がなかったため、市は近く流山市に対し、適切な情報提供と、受け入れ再開には改めて協議することを申し入れる。
原発事故以降、同社が流山市から灰を受け入れたのは6月13日までに11回、計約118トン。処理途中のかすについては再度、九州環境管理協会(福岡市)に放射線量測定を依頼する。同社は全国8自治体のごみ焼却施設の排ガスから分離したすす状の灰を受け入れ、銅や鉛などの非鉄金属を回収し、かすは製鉄用原料にしている。【仙石恭】
〔北九州版〕
毎日新聞 2011年7月14日 地方版