今年ももう7月。9月には新しい仮面ライダー「フォーゼ」がスタートする。
そこで今回は玩具的視点から新しいライダーを考えてみたいと思う。
仮面ライダー龍騎
平成仮面ライダー3代目の龍騎は当時流行していた「カードバトル」を取り入れて大ヒットを飛ばした。
http://www.youtube.com/watch?v=9Bem10QCzPA
仮面ライダー剣
その数年後に放送されたブレイドでもカードバトルが用いられたが、
ブレイドでは新たに龍騎に無かった「コンボ」という概念を取り入れてきた。
http://www.youtube.com/watch?v=DcNLB_HC8VY&feature=related
これは龍騎では、剣なら「ソードベント」のカードを使用、
射撃武器なら「シュートベント」のカードを使用、と
あくまでも効果は単品で発動し、他のカードと組み合わせる事は出来なかったが
ブレイドではそれが可能になっている。
主役の仮面ライダーブレイドの持つカードだけでさえ、
「チェンジ」「スラッシュ」「ビート」「タックル」「キック」「サンダー」「メタル」「マグネット」「マッハ」「タイム」「フュージョン」「アブソーブ」「エボリューション」の13枚があり、これらを二枚、あるいは三枚、最終的には五枚同時に使用する事によって「コンボ技」を発動させる事ができる。
たとえばサンダーとキックを組み合わせれば雷をまとったキックになるし、
サンダーとスラッシュを組み合わせれば雷をまとった剣撃になる。
サンダーとマッハとキックを組み合わせれば電撃をまとった音速のキックを発動だ。
さらに組み合わせ次第では通常のカードの効果を超えた「必殺技」の発動まで備えている。
10、J、Q、K、Aで「ロイヤルストレートフラッシュ」と言う相手を完全に消滅させる技を出せるし、
番号順に並んだ5つのカードで若干威力は劣るが二刀流になる「ストレートフラッシュ」、
仲間から貸りたマークのちがう同じ番号を使った4つの属性の威力の「フォーカード」など多岐にわたる。
公式では上記のようなある程度決まったコンボしか使わなかったが、
設定上はどのカードを組み合わせる事も出来る事になっている。
ブレイドにはライダーが4人登場し、互いが互いのカードを使う事も出来るので
13枚×13枚×13枚×13枚で組み合わせは軽く千種を超えてしまう。(龍騎では他人のカードは使えなかった)
それが「このカードとこのカードを組み合わせればこんな技になるんじゃ?」という妄想の余地を生んで成功に繋がったんだと思う。
仮面ライダーW(ダブル)
http://www.youtube.com/watch?v=7ftqeK_On14&feature=related
そして2010年のダブルは6種類の力を秘めたガイアメモリを
右専用のメモリを右半身に1つ、左専用のメモリを左半身に1つ使用する事で
Aとa、Aとb、Aとc、Bとa(以下略)と9つの姿に変身する。
これは龍騎・剣では「カードの組み合わせで技を発動しても
技が変化するだけでライダー自体の姿は変化しない。
変化する場合は進化フォーム・最強フォームに限る」となっていたのを
ダブルではなんと9つそれぞれに姿を与える事によって
「ライダー本体の組み合わせ」と言う更なる上の概念に到達してしまっている。
これは玩具会社的にも最高で、従来の「主役と複数のサブライダー」では
どうしても人気不人気が出てしまった問題を「全員主役!」にする事で一挙に解決してしまった。
玩具も龍騎やブレイドでは「本体と付属武器各種セット」で販売していたのを
「9つの本体を別売り」という9倍の儲けにする事に成功している。
コレはすごい。こんな発想をする人は只者ではない。
仮面ライダー000(オーズ)
2011のオーズではさらにこの路線を推し進め、基本フォームに加えて
全身を頭部・腕と胸部・脚部の三つに分けて、それぞれにさまざまな動物の力を宿ったメダル組み合わせることで
なんと200弱のフォームが可能になっている。そしてそれを玩具にして販売してる。
なんて恐ろしい!
三つの部位を「昆虫系」「猫系」「海洋生物系」「重量級系」「鳥系」などで統一すると
コンボと呼ばれる「強力なフォーム」を使用可能ということで活躍させたりしている。
さらに児童誌や何かしらのオマケに「メダル」を付ける事によって
それらを使えば更なるフォームを手に入れることが出来、
さらに連携遊具である「ガンバライド」でも各種メダルは協力無比なパワーアップアイテムとして使用でき、
もう、なんていうか「そこまですんのかよ!」的な販売戦略であった。
この凄まじく練られた玩具会社の作戦は見事に成功し、
仮面ライダーオーズの売上は歴代ナンバーワンになってしまった。
さてこれらのライダーたちを踏まえて、
次のライダーである仮面ライダーフォーゼは果たしてどのような能力を用いてくるのだろうか?
ベルトについた4つのボタン。これをどう玩具に、作品に生かしてくるのか?
龍騎やダブルのように「次の次のライダー」の為の試作ライダーとなるのだろうか?
我々特撮ファンは注意深く見守っていくべきだと思う。