嘉手納町民「統合案の息の根止める」

2011年5月19日 10時10分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【嘉手納】米上院議員が普天間飛行場移設問題の「解決策」として提言した嘉手納統合案に対し、嘉手納町民が抗議する「決起集会」の開催が決まり、昼夜騒音にさらされる町民からは「今度こそ統合案の息の根を止める」との声が上がっている。

 1996年から幾度となく持ち上がった同案。

 「現地の状況を理解していない。完全な机上論だ」。下地幹郎衆院議員が嘉手納統合案への反対意見は「感情論だ」としたことに、町議会の田崎博美議長は怒りを込めて反論する。

 96年に「騒音を減らす」と、政府間で騒音防止協定を締結したが、深夜早朝の騒音回数は当時比で約4倍に跳ね上がっている。

 田崎議長は「米側が基地を自由に使用する限り、どんな約束も破られる。基地使用制限を下地氏は約束できるのか。言葉だけの負担軽減にはだまされない」と語気を強めた。

 下地氏はF15戦闘機1個中隊24機の移転を提言しているが、町議会基地特委の田仲康榮委員長は昨年度、嘉手納基地の運用の3割超を外来機が占めたと指摘。「常駐機を減らしても負担軽減にならない」と批判。

 その上で「有力議員の提言であり、外圧に弱い日本政府が動く可能性がある。これまでと状況が違う」と危機感を強めている。

 當山宏町長も「統合案反対は感情ではなく、嘉手納町の経験と苦しみからきている」と主張。「いったん基地機能が移れば、管理権がある米側に自由に使われる」と述べ、「わずかでも話に乗れば(政治に)巻き込まれる。入り口で拒否するしかない」と述べ、同案に門前払いの方針で臨む決意だ。

« 最新のニュースを読む

写真と動画でみるニュース [一覧する]