小説ポケモン図鑑

471:グレイシア



グレイシアの憂鬱  投稿者:ソノリン   

ある夜の事だった・・・グレイシア(♂)の「アイスウォーター」は、1匹だけで、カフェに来てワインを飲み続けていた。
「・・・・・。」何杯目だかわからなかったが、アイスウォーターは、ただひたすら無言でワインを飲み続けた。
アイスウォーターの他にも、カフェには客のポケモンが何匹かいて、わいわい話しているポケモンもいれば、同じように1匹だけでワインを飲んでいるポケモンもいた。
「・・・頼む、ワインをもう1杯くれ。」と、アイスウォーターが言うと、店長のドーブルは「はいよ。でもお客さん、ちょっと飲み過ぎじゃあないかい?」と言った。
そして店長のドーブルは、ワインが入った瓶を取り出すと、グラスに注いでテーブルに置いた。「・・・どうも。」アイスウォーターは一言そう言うと、またワインを飲み始めた。
「・・・ふぅ。」アイスウォーターは、ワインをもう1杯飲み終えて、一息ついた。「・・・さすがに飲み過ぎたな・・・」と呟いた。
もう何杯目だろうか。さすがにワインを飲み過ぎたので、顔が赤くなって酔って来ていた。・・・はぁ・・・とアイスウォーターは溜め息を吐いた。
「・・・ん?どうしたね。なんか嫌な事でもあったのかい?お客さん」店長のドーブルは尋ねた。「・・・いや・・・ちょっとな」アイスウォーターは苦笑した。
「・・・いや、言いたくないんなら無理にとは言わないんだが。」と店長。「・・・ちょっと、恋人と別れてしまって」とアイスウォーターは呟いた。
恋人だったリーフィア(♀)の「フラワー」に振られてしまったのだった。それでもう何もかも嫌になって、ショックのあまりカフェでやけ飲みしていたというわけだ。
『もう、あんたなんか大っ嫌い!顔も見たくないわ!もう私の前に現れないでちょうだい・・・!!!』フラワーはそう言って去って行ったのだった・・・鮮明に記憶が思い出される。
それから、フラワーは何処に行ったのかわからなくて、何処かわからない所に去ってしまったのだった。多分もう、二度と会えないのだろうか。
「・・・ほぉ、それはお気の毒で・・・」店長はそう言った。「・・・・・。」アイスウォーターは、ただ無言だった。
あんなに仲が良かったのに、なんで俺は振られたんだ・・・「・・・くそっ・・・」アイスウォーターは、空になったワイングラスを手に取った。
・・・そして、思いっきり床に投げつけたのだった!!!「バリーン!!!」と激しい音がして、ワイングラスが粉々に砕け散った。
「・・・・・!!!???」その場にいた他のポケモン達、そして店長が、驚いた顔で見ていた。「な・・・なんて事を・・・ちょっと、君っ・・・!!!」
店長が叫んでいるが、アイスウォーターはもうその場にいるのが耐えられなくなったのだろうか。駆け出し、カフェを出て行ったのだった・・・。
・・・そしてアイスウォーターは1匹で、手すりに寄り掛かって夜の海をずっと見つめていたのだった・・・。
次々と涙があふれて来て、こぼれ落ちる。「フラワー・・・何処に行ってしまったんだ・・・」夜の静かな海を見つめながら、そう呟いたのだった。
・・・すると、信じられない事が起こったのだった。とんとん、と肩を叩かれて振り向くと、なんとそこには・・・あの、フラワーがいたのだった!!!
「・・・・・!!!フラワー!!!」「会いたかったわ〜!!!」と、2匹は叫ぶと、お互いにしっかりと抱き合ったのだった・・・そして、再会の涙を流したのだった。
そして2匹で、夜の静かな海をずっと眺めていたのだった・・・もう二度と離れる事はない・・・と誓ったのだった。



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これは今までに書いた事が無いネタだったので初めて書 きました。
結構私的には気に入っていて良い出来になっ たと思います。