こんばんは、イチです。
ヤングマシン9月号で掲載するディオ110の試乗車が編集部へやって来たので会社の近所を走ってきました。まずは、ディオ110から試乗。編集部のある上野から新橋まで昭和通りを南下して、帰りは銀座などのごちゃごちゃした所を通過して帰ってくるというルートです。行きはアンダーパスがたくさんあるので動力性能を見るのにちょうどいいコースでした。ディオ110の実用域は80km/hくらいまで。ここまでは交通の流れの中で普通に速度が乗ります。直線距離が稼げるところでは、95km/hくらいまでメーターで確認できました。100km/hまではよっぽど距離があれば出るか、下っていれば出るか、あるいは出ないかというエンジン性能です。
街中では、原2の本領発揮。14インチの足回りはおおらかでありながら小さく回るのに絶妙な設定。今後のスタンダードになりそうな印象です。ブレーキも必要十分な効力で、前後連動なので急ブレーキでなければ左手だけでもいい感じです。加速力も単体で走っている分には不足は感じないでしょう。街中の車の流れに乗れないということは全然ありませんでした。
次にPCXで同じコースを走ってきました。結論を先に言うとはっきり分かるくらいPCXの方が速いです。トップスピードはPCXが110km/hくらい、街中での実用域も90km/h以上は行きます。加速力もPCXが一枚上手な印象で、8.4psと11.5psの差は歴然としていました。重量はPCXの方が取り回しから感じる重さがあるのですが、それを補って余りあるパワーです。さらに重さが安定感に結びついてたのも好印象です。
そして、この2台で大きく違うのがライポジです。上がディオ110で下がPCX。見て分かる通り、ディオ110はいわゆる原付スクーターのそれ。ハンドルが低く幅がコンパクト、ヒザから下は垂直に下ろすのみのスペースです。対してPCXはワイドでアップなハンドルと足が伸ばせるスペースがあるので、ビッグスクーターのポジションに近いです。さらにお尻の部分にストッパーがあるので足を伸ばしてぴったりバイクと一体化します。ハンドルの位置も自然なので、普段走る距離が長い人はPCXを選んだ方がいいでしょう。長く乗れば9万9750円の価格差は取り戻せると思います。
シート下のスペース、上がディオ110で下がPCX。ヘルメットはアライのMZです。ディオはシートにメットの頭頂部が当たりながらも閉まりました。PCXはすんなり閉まりました。また、PCXはメットプラスアルファの収納ができる上、イグニッションキーを抜き替えずに開閉できます。
上からディオ110、ディオ110、PCX、PCXです。19万9500円のディオ110と29万9250円のPCX。同じホンダの原2スクーターでもきっちり棲み分けができていることが分かりました。安くて実用的な性能が十分な原2が欲しい人はディオ110、所有感や走り、バイクに乗っている時間を大切にしたい人はPCXを選ぶといいでしょう。ともに値段以上の価値がある製品だと思います。