福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた工程表の見直しを進めている国と東京電力は、来年1月までの「ステップ2」という新たな期間で、汚染された地下水が外に漏れ出すのを防ぐ工事を前倒しで始めるなど、汚染水対策を強化することになりました。
福島第一原発の事故収束に向けて、国と東京電力が4月中旬に作った工程表では、今後、来年1月までのおよそ半年間を「ステップ2」と位置づけていて、その作業内容の見直しをまとめました。それによりますと、まず福島第一原発の敷地内の地下水が放射性物質で汚染され、外に漏れ出すおそれがあることから、これまではステップ2で「検討する」としていた原子炉建屋の周辺で壁を地下まで埋め込む工事を前倒しで始めることになりました。また原子炉の安定的な冷却に不可欠な汚染水を処理して再び原子炉に入れる「循環注水冷却」のシステムで、水漏れなどのトラブルが相次いでいることから、全長4キロにわたる配管を短くしたり、配管をより強いものに変えたりする対策に乗り出すことになりました。このほか「ステップ2」より先の燃料プールから使用済み燃料を取り出す作業や、原子炉建屋を頑丈なコンテナで覆う作業を行うとしている「中期的な課題」の期限について、初めて「3年程度」と明示しました。国と東京電力は、新しい工程表を今月19日に最終的にまとめ、公表することにしています。