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【大相撲】

魁皇「黄金の右」で1046勝 通算勝利数新記録

2011年7月15日 紙面から

旭天鵬(右)を寄り切りで下し、史上単独トップとなる通算1046勝目を挙げた魁皇=愛知県体育館で

写真

◇名古屋場所(5日目)

 (14日・愛知県体育館)

 大関魁皇(38)=友綱=が旭天鵬を力強く寄り切って2勝目を挙げ、千代の富士を抜いて単独史上1位の通算1046勝を達成した。横綱白鵬(26)=宮城野=は豊ノ島を押し出して5戦全勝。他の大関陣は把瑠都が関脇鶴竜に引き落とされて初黒星を喫した。日馬富士は嘉風を寄り切って5連勝。かど番の琴欧洲は若荒雄に押し出されて2敗目となった。関脇同士の対戦は琴奨菊が稀勢の里を豪快に寄り倒して4勝目を挙げた。

 数ある記録の中でも、これ以上ない名誉である通算勝ち星で、魁皇がついに頂点に立った。並んでいた千代の富士(現九重親方)を抜き、通算1046勝。その記念すべき1勝が魁皇の相撲を象徴していた。立ち合いからさっと右上手を取って、がっちり引きつけた。旭天鵬は何もできない。力強い寄りで旭天鵬を土俵の外へ。前日、豊ノ島を倒して苦しいトンネルを抜けると、5日目でやっと自分の形で勝てたのだ。

 3日目朝から弟弟子の幕内魁聖と稽古を始め、この日も名古屋市緑区の友綱部屋で7番汗を流した。魁皇は「今日はけいこ場と同じような相撲が取れた」というが、笑顔はない。「序盤戦が黒星先行で、そんなことで喜んでいる場合ではない」と素っ気ない。

 本人の気持ちとは関係なく、数字は紛れもなく1位なのだ。「場所中は相撲に集中していきたいと思っている」とどこまでも冷静だ。

 記録を破られた九重親方は「おめでとうございました」と祝福した。この日の相撲内容について「自分の形になれて魁皇らしい相撲で勝てた。でも大関だから最低は勝ち越してもらいたい。それも内容のあるものをね」とちょっと辛口で注文した。

 1988(昭和63)年春初土俵で、魁皇と同期生の貴乃花審判部長(横綱)は、絶賛した。「魁皇の相撲は完璧でしたね。元に戻ったというか、落ち着きもあった。土俵下から見ていて、勝つなと思っていました。このまま続けて記録を伸ばしていってほしい」と期待する。8年半前に引退した貴乃花部長にすれば魁皇は同期の誇りなのだろう。

 観衆がこの日、前日より400人増えて、4400人。2日目からじわじわ増えてきた。これも魁皇効果かもしれない。しかし、とりわけ腰の不安がいつ爆発するか、不安は消えない。腰から足にかけてのしびれは、特にひどく「今場所中は消えないだろう」と魁皇はあきらめている。それでも魁皇がいなくては、場所は盛り上がらない。今日も大相撲ファンのために土俵に上がり続ける。 (近藤昭和)

 

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