名古屋グランパスのDF田中隼磨(28)が2試合連続途中交代に危機感を募らせて17日の山形戦(NDスタ)に挑む。夏場でも運動量の落ちない田中隼はクロスボールなどの精度を上げて「もっとチームに貢献したい」と代えられない選手を目指す。
猛暑が続いても、跳んだりはねたり元気な田中隼の姿は変わらない。J1開幕から15試合すべて先発出場し、出場時間はチームナンバーワンの1316分間。
それでも「まだ走り足りない。もっと走りたい」と田中隼は、危機感をにじませた。誰も近づけない突出したスタミナを誇るが、9日の神戸戦(ホムスタ)は後半31分、13日の鹿島戦(豊田ス)は後半25分に途中交代。ともに同点の場面で「超オフェンシブな布陣」というストイコビッチ監督が右DFに小川を置いて、勝利を収めている。田中隼の調子には関係なく戦術的な理由とはいえ、最後の10分で違いを見せられる疲れ知らずにとっては、心残りがある。
6月15日の新潟戦(瑞穂陸)でマークした移籍3年目の初ゴールはロスタイムに入った後半48分のこと。90分を過ぎても走り続けるタフネスボーイは「もっとチームに貢献できるように、クロスボールなどで、攻撃の質を高めることが大事」と、技術面でアピールする。
鹿島戦では、絶妙のクロスもあった。前半、右から上げたボールは、中央でフリーのケネディの頭に届いた。シュートミスで先制点にはならなかったが「ジョシュアに入れば、必ずチャンスになる。ああいう場面をもっと増やしていきたい」と意気込む。激しいアップダウンを武器にする田中隼が、それ以外にも価値があることを山形戦で証明する。 (木本邦彦)
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