稲わらを出荷した農家が所属する福島県白河市の団体の代表が15日、取材に応じ、「稲わらは原発事故のあともしばらく屋外に置かれていたが、出荷を控えるようにという国や県からの指導は一切なかった」と話しました。
この中で、団体の代表は「問題の影響は計り知れず、間違いがあったことは事実なので本当に申し訳なく思っている」と述べて謝罪しました。そのうえで、稲わらを出荷した経緯について、代表は、稲わらの収穫やこん包作業は秋に行われるのが一般的だとしたうえで、「去年の暮れからことし2月にかけて天候不順が続いたため作業が進まず、屋外に置かれていた稲わらをこん包する作業を始めたのが、原発事故のあとの3月15日以降になってしまった。屋外の作業はその後も2週間続き、3月28日から浅川町の肉牛農家に出荷した」と説明しました。さらに、原発事故を受けて、農林水産省が3月19日に畜産農家を対象に放射性物質が付着した可能性がある餌を与えないよう通知していたことについては、「全く知らなかった。白河市の放射線量が高いとか、稲わらの出荷を控えるようにとかいう国や県からの情報は一切なかった。情報さえあれば、出荷先の肉牛農家ともお互いに確認できたので、こんな事態にはならなかったと思っている」と話しました。