臓器売買を巡って東京の医師が逮捕された事件で、この医師に腎臓の提供者を紹介した暴力団組長らが、謝礼のほかにも、あいさつ料や交通費の名目で200万円を要求していたことが分かり、警視庁は資金の一部が流れた疑いもあるとみて、暴力団・住吉会の本部事務所を捜索しています。
捜索を受けているのは、東京・港区にある住吉会の本部事務所など数か所です。この事件は、東京・江戸川区の内科医師、堀内利信容疑者(55)が、去年7月に愛媛県の宇和島徳洲会病院で腎臓の移植手術を受けた際、提供者を紹介された謝礼として住吉会系の暴力団組長、坂巻松男容疑者(70)に800万円を支払ったとして、14日、臓器移植法違反などの疑いで再逮捕されたものです。警視庁によりますと、堀内医師は移植を受ける前、別の暴力団員に提供者探しを依頼してトラブルになり、坂巻容疑者らに仲裁を依頼したということですが、その後の調べで、坂巻容疑者らが自分へのあいさつ料として100万円、暴力団員との交渉に当たる人物の交通費として100万円をそれぞれ要求し、受け取っていたことが分かりました。その後、暴力団員との交渉が決裂したため、坂巻容疑者が提供者を紹介し、さらに800万円の謝礼を要求していたということです。警視庁は医師の弱みにつけ込んで次々に現金を要求し、暴力団の資金源にしていたとみて調べています。