鉄道の駅員が乗客から暴力をふるわれるトラブルが増えていることから、鉄道各社は、暴力行為をしないよう呼びかけるキャンペーンを15日から始めました。
全国の鉄道会社によりますと、駅員や乗務員が乗客から暴力をふるわれるトラブルは、昨年度1年間に868件起きました。これは過去最も多かった前の年度よりも1件少ないだけで、依然、深刻な状況が続いています。このため、全国の鉄道会社は、15日から共同で暴力をしないよう呼びかけるキャンペーンをはじめ、駅や車内に「暴力行為は犯罪です」と書かれたポスターを張り出しました。ポスターには、「何があったか知らないけど、暴力をふるう人は、みっともなくて見ていられない」ということばが添えられています。鉄道各社によりますと、駅員が暴力をふるわれるトラブルの56%は、酒を飲んだ乗客によるもので、週末の午後10時以降が特に多くなっています。中には駅員がホームの端を歩いている乗客や終点の駅に着いた電車の中で寝ている乗客に声をかけたところ、突然、殴る蹴るの暴行を受けてけがをしたケースもあったということです。京王電鉄の山本貴之駅長は「迷惑行為を注意した際に暴力をふるわれることも多く、安全な輸送を確保するためにも絶対に暴力行為はやめていただきたい」と話していました。鉄道各社は、警備員を増やすなどの対策をとっていて、悪質なケースは刑事告訴することにしています。