事件【セシウム汚染牛】わら汚染、対策の盲点続々+(1/2ページ)(2011.7.15 23:47

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【セシウム汚染牛】
わら汚染、対策の盲点続々

2011.7.15 23:47 (1/2ページ)

 福島県以外にも約150キロメートル離れた宮城県北部で肉用牛の餌となる稲わらから放射性セシウムが検出されるなど“汚染”が拡大する中、対策の「盲点」が次々と浮かび上がっている。

 汚染された稲わらを食べた42頭を出荷した福島県浅川町の農業生産法人が国の通達を「知らなかった」と話しているように、飼料の保管方法の周知徹底はなされていなかった。

 農林水産省は4月、放射性セシウムについて牧草の暫定基準値(肉用牛の場合、1キログラム当たり300ベクレル)を設定。ところが、同じ肉用牛の飼料となる稲わらの基準値は定めず、ここでも対策が見落とされた。

 農水省の担当者は「秋から野外に放置されたものを春に使うことは想定外だった」と頭を抱える。今後は指導が行き届くよう、飼料供給を担う商社や獣医なども通じ、周知徹底を図る。

 厚生労働省は汚染された肉用牛の流通を食い止めるため、福島県産の検査対象地域の拡大についても検討を始めた。ただ、福島県から出荷される肉用牛の約9割は県外の食肉処理場で解体後、抽出検査されている。各地で検査できる数にも限りがあり、関係自治体との調整には相当時間がかかりそうだ。

 「内部被(ひ)曝(ばく)を調べるべきだった」と憤るのは福島県内の畜産農家。7月初め、自治体の担当者らが出席した会議で、牛の内部被曝検査の実施を訴えたが、受け入れられなかったという。

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