日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は15日、2年間教鞭(きょうべん)をとった京都大学で「公共政策を遂行するという仕事」と題して講演した。100人以上集まった学生に「政策に携わる仕事に関心を持ってほしい。そして、公共的な使命の達成に喜びや誇りを感じてほしい」と語りかけた。
講演後の質疑で「なぜ日銀を選んだか」と聞かれ、「民間企業で務まりそうになかった。高邁(こうまい)な思想があったわけでなかった」と答えて笑いを誘った。その後、「ただ、結果的に中央銀行の仕事は向いていたと感じる。公共的な政策の現場で働くことはチャレンジングなことだ」と語った。
「学生時代にやっておくべきことは」との質問には「英語」と即答した。「昨年は計16回海外出張し、海外の政策担当者に英語で日本の状況を説明する」と語り、「やはり大事なコミュニケーションの道具。最近はアジア各国の人の英語能力が高い」と述べた。