サムスン電子、がんと勤務環境の因果関係否定

 サムスン電子半導体事業部の社員が発がん性物質にさらされた可能性が指摘された問題で、同社は14日、京畿道竜仁市の器興事業所で、米保健コンサルティング会社「エンバイロン」に依頼して実施した勤務環境調査結果を発表した。内容は、がんと勤務環境の因果関係を否定したものだったが、市民団体は「根拠が不足している」と反発している。

 エンバイロンのポール・ハーパー調査総括責任者は「サンプル調査の対象となった半導体生産ライン(第1、第5、第12)の全てで発がん性物質が基準値の50%以下だった」と指摘した。

 エンバイロンは、がんにかかり、労災申請を行ったサムスン電子の社員6人について、基準値を超える発がん性物質にはさらされなかったと指摘した。エンバイロンは独自調査の内容、サムスン電子や別の機関による調査内容、社員の証言などを集め、勤務環境を判断したという。

 しかし、市民団体側から発表会見に出席した産業医学専門家のコンユ・ジョンオク氏は「結論ありきで、化学物質の測定値、測定方法などの根拠が提示されていない」と述べた。

 これについて、サムスン電子の権五鉉(デバイスソリューション事業統括)社長は「一部の機密を除き、調査資料の公開を検討する」と述べた。権社長はまた、退職社員についても、場合によって、疾病治療費の補償を行うプログラムの導入も検討するとした。

 白血病で死亡した元社員の遺族は、勤労福祉公団を相手取り、労災認定を求める裁判を起こし、先月24日の一審判決で一部勝訴している。

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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