9日、福島県南相馬市内から出荷された和牛11頭から、国の基準を超える放射性セシウムが検出されたと東京都が発表した。
いまなお続く、目に見えない放射線の不安。政府や自治体の発表する放射線量は信用できないと、個人で放射線量測定器を購入する人も増えているが、すでにネットショップや店舗では品薄状態。その理由を、神奈川県「佐藤商事」の担当者が説明する。
「日本だけが放射線量測定器を求めているのではないんです。イタリア、ドイツ、アメリカなど原発のある国の人々が、みんな測定器を欲しがっている。そんななかでの商品の取り合いになっているんです。だから3.11以降、測定器の値段は3、4倍に跳ね上がりましたし、粗悪品を売る業者も増えています」
こんな状況で、もし運よく入手できたとしても、その正しい使用法がわからなければ意味がない。「素人による素人のための放射線計測講座」を主催している東京砂場計測プロジェクトの矢部史郎氏が、レクチャーする。
「まず、購入したら測定器を汚さないように、すぐにビニール袋に入れてください。むき出しのまま使っていると本体に放射性物質が付着してしまうことがあります。そうすると拭いてもなかなか取れませんし、ついている放射性物質の線量も含めて測定してしまうので正確な数値ではなくなります」
このビニール袋は使い捨てにして、こまめに取り替えることが重要だ。
「あと、ガイガーミューラー(GM)管式の測定器は、中にガイガー管が入っていて、そこに放射線が入るとカウントされます。だから、測定器を手のひらでギュッと握ってしまうと手で放射線をさえぎって数値が低く出ることがある。GM管をふさがないように端っこをつまむように持ったほうがいいでしょう」
そして、一定時間計測し、その平均値を出す。
「測定器の使い方自体は非常に簡単です。電源を入れてスイッチを押すだけ。それで自動的に160秒間測って、その平均値を出してくれたりする。ただ、機種によっては自動的に測ってくれないものもあるので、その場合は30秒ごとに数値をメモしながら、だいたい2、3分測定して、平均値を出さなければいけません」
だが、このような個人の測定でも信用できるものなのか。矢部氏はこう続ける。
「GM管式の測定器では、厳密な数値はわかりません。誤差はだいたい20%だといわれています。東京だと0・02~0・06マイクロシーベルト/毎時ほどの差が出ます。ただ、同じ機種で同じ場所を毎日測っていれば、放射線の絶対値は正確にはわかりませんが、変化は読み取れます。自分たちが生活しているなかで高くなっているのか低くなっているのかは確実にわかります。厳密ではないけれど、決してデタラメな数字ではないということです」
よく、「一般人が放射線量を測ったとしても、それは正確でないからあてにならない」という話を聞く。だが、大切なの0.01単位の数字ではなく、放射線量が増えているのどうか。素人の計測だからと無駄になることはない。
(取材/村上隆保、写真/井上賀津也)