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アーカイブ 2011年07月14日

2011年07月14日

コンテンツでも韓国に押される日本

Posted by: 大林優香

半導体や薄型テレビなどの世界市場で躍進する韓国企業。

円高で苦しむ日本メーカーとは対照的に、ウォン安や自由貿易協定(FTA)戦略を推し進める政府の後押しで、鉄鋼、造船、自動車分野でも攻勢をかけている。そんな韓国の強さは製造業に限らないという。

KOREA/博報堂がアジア10都市の15-54歳の男女を対象に行った「Global HABIT」調査によると、韓国はドラマや音楽などのコンテンツ分野でも存在感を強めている。

「かつてドラマ、音楽、メイク・ファッションなどの日本コンテンツはアジア各国で強い影響力を持っていたが現在は韓国に押されている」という。

調査は日本、韓国、欧米のマンガ・アニメ、ドラマ、音楽、映画、メイク・ファッションが各都市でどの程度受け入れられているかを6591人に聞いたもの。昨年5─8月に実施し、先週結果が公表された。

調査によると、マンガ・アニメは今も日本がアジア全体で圧倒的な人気を持つが、ドラマは韓国の方が日本より人気が高く、欧米と並ぶ浸透度を示した。

映画と音楽は欧米が強いが、日本と韓国に絞ると、台北と香港では日本が韓国を上回り、ホーチミンやバンコクでは韓国が日本を上回った。

「日本と韓国のコンテンツの影響力に絞って比較すると、バンコクやホーチミンなどでは韓国が日本よりも強い傾向がみられ、ドラマ、音楽、メイク・ファッションなど影響力が多層化している」という。

博報堂の広報担当によると、今回の結果について明確な背景分析はしていないが、韓国勢はさまざまな分野でグローバルな展開力を高め、自信を強めている。「日本人は忠誠心が強く、日本ブランドへのこだわりが強いが、日本でも10代の若者の間では韓国ブランドに対する垣根は低く、韓国ブランドは先進的でおしゃれというイメージが定着している」という。

停滞が続く日本とは異なり、グローバル競争力をぐんぐん強めていく韓国。ワールドカップで大活躍中の「なでしこJAPANのように、日本が、明確な目標を定め、戦略的に、しかも粘り強く世界市場を攻める日はいつか来るのだろうか。

(写真/ロイター)