福島県浅川町から出荷された肉用牛の肉から基準超えの放射性セシウムが検出されたことから、厚生労働省は15日、福島県全域の牛の出荷停止を検討するよう原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)に要請する方針を決めた。汚染肉の流通で各地で混乱が生じているとして厚労省はいったん出荷を止めたうえで、福島県に検査態勢などを整えてもらいたい考えだ。
福島県は緊急立ち入り検査が終わる18日ごろをめどに、県内すべての肉用牛の出荷や移動の自粛を農家などに要請している。ただ、厚労省は18日までに、出荷調整や検査態勢を整備するのは難しいとみている。
出荷停止の対象範囲は南相馬市と浅川町という離れた場所で汚染した牛が見つかったことやわらの汚染も広い地域に及んでいる可能性があるため、福島県全域で検討してもらう予定だ。