強姦未遂、元警部に実刑＝強制わいせつは無罪―福岡地裁

　女性2人に対する強姦（ごうかん）未遂と強制わいせつなどの罪に問われた元福岡県警警部新田隆被告（52）＝懲戒免職＝の判決公判が12日、福岡地裁であった。田口直樹裁判長は強姦未遂事件で懲役2年6月（求刑懲役5年）とする一方、強制わいせつ事件では「被害を裏付ける客観証拠はない」として無罪を言い渡した。被告側は判決を不服として即日控訴した。
　新田被告は機動捜査隊班長だった2006年、同県大牟田市の路上に止めた車の中で、飲食店従業員の女性にわいせつな行為をしたほか、08年には捜査協力者の女性を福岡市のホテルに連れ込み暴行しようとしたなどとして起訴された。
　新田被告は捜査段階から一貫して否認。公判では被害者証言の信用性が主な争点だった。
　田口裁判長は、強姦未遂事件について「被害者の着衣に被告の唾液が付着しているなど、証言は他の証拠と整合している」と指摘。「警察官に対する信頼を損なうもので、実刑は免れない」と述べた。
　一方、強制わいせつ事件では、証言の信用性を認めながらも、客観的証拠がないことなどから「合理的な疑いを入れない程度の確信には至らなかった」とした。
　新倉英樹福岡地検次席検事の話　判決文を詳細に検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい。（了）
新田隆（にった・たかし）、田口直樹（たぐち・なおき）、新倉英樹（にいくら・ひでき）

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