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【芸能・社会】

宮尾すすむさん死去 77歳、肺炎 「ハイッ!」のポーズと軽妙な語り口で人気

2011年7月14日 紙面から

 「ハイッ!」のポーズとともに軽妙な語り口のテレビリポーターとして人気を集めたタレントの宮尾すすむ(みやお・すすむ、本名山口進=やまぐち・すすむ)さんが12日午後2時56分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。77歳だった。鹿児島県出身。通夜は17日午後6時から、葬儀・告別式は18日午前10時から、いずれも東京都港区高輪3の15の18、高野山東京別院で。喪主は長男でタレントの山口雅史(35)。

 顔の前で両手を交差させて、右手のひらを右アゴに付けて「…ハイッ!」と叫びながらとる宮尾さんの決めポーズは、多くのタレントに物まねされるなど親しまれた。

 宮尾さんは旧満州(現中国東北部)生まれ。戦後、鹿児島県に引き揚げた。昭和30年代には紳士服を月賦で売る販売会社の“社長”として活躍した。29歳の時に漫談家宮尾たか志の記事を読み、弟子入り。ジャズ喫茶やクラブでの司会や森進一(63)ら人気歌手の公演で司会をした。

 その後、タレントとしてテレビに進出し、ワイドショー、バラエティー番組などのリポーターやクイズ番組の解答者として活躍。全国各地の社長の自宅を訪れて成功談や苦労話を聞く、テレビ朝日系「モーニングショー」の人気コーナー「宮尾すすむのああ日本の社長」は延べ11年続き、名物コーナーとして高視聴率を誇った。番組をきっかけに宮尾さんに企業などから講演依頼が殺到したこともあった。

 1994年7月に愛妻明美さんが脳出血のため46歳で死去してからは、さまざまな病に悩まされ、最近は目立った芸能活動を控えていた。01年に前立腺が肥大、02年7月に多量の血尿と激痛で発覚した尿道擦(さっ)傷で入院し、血栓除去手術を受けた。

 07年5月には、体調不良を訴えて自分で病院に行く途中、急にブレーキが踏めない状態になり、宮尾さんが運転する車が前方に止まっていた車に接触、宮尾さんは病院に搬送され急性硬膜下血腫と診断されていた。

◆森進一「残念…」

 宮尾さんに公演で司会をしてもらった歌手の森進一は、ファクスを通じ「体調がお悪いということは伺っておりましたが、残念でなりません。宮尾さんには私のステージの司会を約10年務めていただき、同じ鹿児島出身ということもあって、普段から冗談を言い合うなど本当に楽しく過ごさせていただきました。あのころの笑顔が思い出されます。心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントした。

◆「奥様とゆっくり」 金さん共演の高橋英樹

 テレビ朝日系の時代劇「遠山の金さん」で宮尾さんと共演した高橋英樹(67)は、ファクスを通じてコメント。「真面目で義理堅く、大変家族思いな方でした。京都で長くご一緒致しましたが、先に天国で待っておられる奥さまとゆっくりお休みください。ご冥福をお祈り申し上げます」

◆草分けリポーター 八波一起たたえる

 テレ朝系「モーニングショー」で共演し、公私ともに親しかった俳優で司会者の八波一起(55)はこの日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に電話で応対し、「宮尾さんは日本リポーターの草分け」とたたえた。5、6年前に仕事先で宮尾さんと遭遇した際、「元気だよ!」と話すも妻を亡くした悲しみを感じたという。

 “日本の社長”での宮尾さんを踏まえて「社長に突っ込んでも怒られないのは宮尾さんの人柄。テレビではひょうきんですが、真面目で勉強家。随分学ばせてもらった」としのんだ。

◆「先月食道がん見つかって…」 息子の山口雅史

 宮尾さんの最期をみとった一人息子でタレントの山口雅史は13日夜、東京都内で会見。宮尾さんが食道がんを患っていたことを明かした。

 日ごろから「(食べ物を)のみ込むとのどに詰まる」と訴えていた宮尾さん。6月中旬、食事中に急に容体が悪くなって入院し、検査で食道がんが見つかった。医師は「3カ月持ってもらえれば…」と余命を宣告。山口さんは本人にがんだとは明かさず看病した。

 今月11日に容体が急変。山口さんは妻と病院に駆け付けた。「12日の午後3時前、血圧がボーンと下がって、そこからはあっという間だった。話し掛けると息をするが、その間隔がだんだん長くなって…最後は応えてくれなくなった」という。

 最後にかけた言葉は「僕、仕事頑張ってるからね」。宮尾さんは病床でも、山口がプロレスの実況をしているDVDを見たがり、看護師が止めると怒ったこともあった。

 山口は5月に入籍したばかり。「いい年をして独り者だったので、父は『好きな女いるのかな』とずっと言ってて。挙式の準備も進めていた。もっと早く家庭を作らなきゃいけなかった」。山口は涙を流し、家族思いの父を惜しんだ。

 

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