正直に言えば、グランパスは鹿島の出来の悪さに助けられたという印象だった。後半はストイコビッチ監督のタイミングのいい選手交代で流れを取り戻したが、好調な相手ならば前半だけであと2点は取られていても仕方ないという内容だった。10戦負けなしで順位も4位まで上がってきたが、上位との対戦では攻守ともにもう一段高いレベルが要求される。
リーグ優勝した昨年と比べると、まだまだ相手に合わせた戦い方になっている。グランパスの一番効果的な攻撃はサイドバックも含めた相手陣深い位置でのサイド攻撃だが、現状はそこまでいかずに終わっている。相手が数的優位をつくっている場面で、ショートパスをつなごうとして奪われ、カウンターを食らう。前半2分の鹿島の先制点がその象徴的なシーンだった。
たとえば前半はもっと単純に大きくサイドチェンジするなど、自分たちの得意なパターンに持ち込んで相手の選手が横に広がるのを待ち、そこでショートパスを多用する方法もある。つなぐ意識は大切だが、それだけに頼るのではなく多様なパターンでシュートまで持ち込む回数を増やしてほしい。
守備面では、DFラインとボランチとの間のスペースを使われ過ぎているのが心配だ。この日の鹿島はそこでドリブルしてくることが多く、闘莉王と増川の体を張った守備で防いだが、スルーパスなどを使われると防ぎようがなくなる。このスペースをだれがどうカバーするのか、再確認する必要がある。 (愛知東邦大監督、元グランパスDF藤川久考)
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