塩化揮発法は酸化鉄主体の粉状物質に塩化カルシウム液を混合してペレット状にした上で高温焼成します。
プロセスは造粒工程,塩化揮発焼成工程とガス洗浄工程及び液処理工程の四工程から構成されています。
鉛、亜鉛を含有する酸化鉄粉に塩化カルシウムを添加し混練、造粒、乾燥します。
塩化カルシウムは塩化剤として使用するものですが、同時に酸化鉄粒子の結合を強固にして乾燥ペレットの強度を上げます。
強度の強い乾燥ペレットはロータリーキルン内での転動に耐え、安定した焼成作業が可能になります。
ロータリーキルンに装入されたペレットの温度は徐々に上昇し、最高1200℃〜1250℃にまで達します。
この間、鉛、亜鉛はペレットから塩化物ガスとして除去され炉ガスに移行します。
ペレットは純化され且つ高温で焼成硬化されて製鉄用高炉の鉄原料になります。
ガス洗浄工程では炉ガスとして排出される金属塩化物ガスを水で冷却、捕集、溶解します。
水は塩酸、鉛、亜鉛などの塩化物を含む強酸性、強腐食性の溶液になります。
液処理工程では液中に溶解した鉛、亜鉛その他有価元素を分別しながら回収し、回収物は製錬原料として其々の山元に還元します。