no title『(注1) WHO飲料水水質ガイドラインの値は、全α放射能では0.5Bq/リットル、全β放射能では1Bq/リットルです。(注2) 金町浄水場における過去20年間の測定値は、0.0~0.5Bq/リットルです。…と、3月17日の発表では記載されているにもかかわらず、3月23日の発表以降は「※不検出<20Bq/キログラム」と、されており発表基準が大幅に変更された事がうかがえる。よって、上表の20Bq/kg未満の数値に関しては不検出(≒0)としたが信憑性はイマイチとしか言いようがない。』

…と、「関東の水道水の放射能汚染に関する考察」を作成している中で、東京都の水道水モニタリングに関して一個の矛盾を見つけたが、各地の水道水のモニタリングも似たような事例があると判断し、「【参考資料】東北・関東地区のモニタリングポストの高さについて」の様にリサーチの上、まとめることにした。

ZIPANGU Renaissanceでリサーチした各自治体の水道水含有放射性物質の測定下限値は以下の通り。


 

  自治体      測定下限値 確認方法 備考
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秋田県     0.2Bq/kg(くらい) TEL018-860-1594
岩手県     0.12Bq/kg(目安) TEL019-629-5359
         検査下限値がその時によって異なるのであくまでも目安 
宮城県     1Bq/kg(大凡) TEL022-211-2607
福島県     5Bq/kg TEL024-521-1111(代)
         検査場所が膨大な為、1件当たりの検査時間を短縮
山形県     0.2-0.3Bq/kg TEL023-630-2160
茨城県     0.5-1Bq/kg以下に関しては不検出と発表 TEL029-301-1111(代)
栃木県     下限値が毎日違う→教えて貰えず TEL028-623-3188
         5/28のヨウ素0.2Bq/kg、セシウム0.33-35Bq/kgは不検出と発表      
群馬県     0.1-0.3Bq/kg(前橋市が文部科学省から受託したモニタリング)
          2-6Bq/kg(群馬県独自の調査) 
県HP
埼玉県     概ね0.2Bq/kg(大久保浄水場)
          概ね0.5Bq/kg(上記浄水場以外の浄水場)
県HP
千葉県     10Bq/kg※1明確な基準は現在検討中 TEL043-211-8365
東京都     20Bq/Kg未満※2 
都HP 3/23以降
横浜市     横須賀市上下水道局に測定を依頼 
市水道局HP
川崎市     ヨウ素9Bq/kg  セシウム10Bq/kg(水道局) 
           ヨウ素3Bq/kg  セシウム3Bq/kg(川崎市衛生研究所) 
市水道局HP
横須賀市    ヨウ素9Bq/kg  セシウム10Bq/kg 市水道局HP
神奈川県    ヨウ素0.5Bq/kg セシウム137・134 0.4Bq/kg (県衛生研究所) 県HP
静岡県      1Bq/kg(5か所) TEL054-221-2088
静岡市      0.1Bq/kg(静岡市が文部科学省から受託したモニタリング)
山梨県      0.1Bq/kg迄は検出可能 TEL055-223-1490
長野県      0.5Bq/kg未満(長野県が文部科学省から受託したモニタリング)
           3Bq/kg未満(長野県独自の調査) 
県HP
新潟県      0.1Bq/kg迄は検出可能※1 TEL025-280-5208

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尚HP記載のもので"未満"の表記がなければ基本的に"以下"である。
特に放射線種に関して記載がなければヨウ素、セシウム共にの数値。
※1検査機関から送られた数値をそのまま掲載しているので、県の方では下限値は分りかねる面がある。
※2東京は簡易測定値で通常6時間行うところを2時間程度の簡易検査を公表している


 尚、測定下限値は「測定機械の性能」と「測定時間」によって異なる。

福島県は原子力災害につき測定すべきポイントが多い場合、1件辺りの測定時間を圧縮し多くの検査をする必要のある自治体ではやむを得ない面がある。

測定下限値が毎日異なる自治体は、おそらく測定時間の基準が非常に曖昧な為に測定下限値が毎日異なると言う事態を生起させていると思われる。

東京都は簡易測定値で通常6時間行うところを2時間程度の簡易検査を公表しているが、測定ポイントが少ないにもかかわらず簡易測定で済ませる点は疑問が残る。

千葉県は現状、水道水放射能物質含有量は毎日3-9Bq/kgで推移中だがこれは発表されていない。

この様に見た場合、水道水含有放射能物質量はモニタリングポストと同様に自治体毎に非常にばらつきがあるので、注意を要すると言える。

尚、実際に電話でヒアリングをした際に最も好意的であったのは静岡県でコールバックをしてきたのに対し、栃木県では質問に対しはぐらかす様な答えしか出てこなかった。更に山梨県では東京都の簡易測定の情報を提供してくれた点等は各自治体の放射能問題に対するスタンスの一端を垣間見る事が出来るのではないかと最後に付記しておく。