東日本大震災の被災地で、倒壊した建物のがれきからアスベストが飛び散っていないか環境省が空気中の濃度を測定した結果、一部の地点で通常の値よりもやや高いことが分かりました。環境省は「健康に影響はない」としていますが、アスベストの飛散を防ぐ対策を取るよう自治体に求めています。
この調査は、被災地で倒壊した建物の建材に含まれるアスベストが空気中に飛び散っていないか調べるため、環境省が、青森・岩手・宮城・山形・福島・茨城・栃木・千葉の8つの県にあるがれきの仮置き場や避難所の周辺、それにビルの解体現場など、およそ130の地点で行いました。その結果、青森県八戸市や福島県いわき市、茨城県神栖市、それに千葉県旭市のがれきの置き場や住宅の解体現場の近くなどで、空気中のアスベストの濃度が通常の濃度よりやや高かったということです。環境省は「健康に影響はなく、特に問題視する必要はない」としていますが、がれきに水をまいたり、シートで覆ったりするなど、アスベストの飛散を防ぐ対策を取るよう自治体に求めています。環境省は、監視を続ける必要があるとして、今回の調査で濃度がやや高かった地点のほか建物や船の解体現場などでアスベストの濃度を改めて測定することにしています。