生体腎移植をめぐる臓器売買事件で、堀内クリニック(東京都江戸川区)院長堀内利信容疑者(55)=臓器移植法違反容疑などで逮捕=の臓器提供者(ドナー)になった竜哉容疑者(21)=同、旧姓石川=が、知人のアルバイト矢野勇介容疑者(30)=同=に指示され、養子縁組に必要な戸籍謄本などを取得していたことが、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁組織犯罪対策四課は十四日、同容疑などで関係先数カ所を家宅捜索。仲介役の指定暴力団住吉会系の坂巻松男組長(70)=同=と医療コンサルタント会社役員江口祐子容疑者(47)=同=がドナー決定後も、移植に向けた手続きに協力したとみて調べる。
坂巻組長は持病があり勾留に耐えられないとして十三日夜、釈放した。
同課によると、竜哉容疑者以外の坂巻組長ら三人は「養子縁組届などは見たこともないし、金をもらったこともない」と容疑を全面的に否認している。
捜査関係者によると、矢野容疑者は昨年六月、知人の江口容疑者からドナーを探すよう指示を受け、借金の帳消しを条件に竜哉容疑者を誘った。江口容疑者らの仲介で六月中旬、竜哉容疑者と堀内容疑者が初めて面会した後、竜哉容疑者に指示して埼玉県内の市役所で戸籍謄本を取得させたという。
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