14日の東京外国為替市場で、ドルは円やユーロなどの主要通貨に対して全面安となり、円相場は一時1ドル=78円45銭を付けて、約4カ月ぶりの高値を更新した。米景気の減速懸念に加え、FRB議長の発言で金融緩和が長期化するとの観測が広がった。円相場は午後1時現在、1ドル=78円60銭前後で、前日終値に比べて80銭程度の円高・ドル安となっている。
外為市場では幅広い通貨に対してドル安が進んでいる。財政問題を抱えるユーロも14日は対ドルで一時1ユーロ=1.42ドル台後半まで上昇。12日の直近安値(1.38ドル台前半)から急反発した。オーストラリアドルも一時1豪ドル=1.07ドル台と、対ドルで強含んだ。
円相場は3月の大震災直後に最高値(76円25銭)を更新。日米欧の協調介入でいったん下落したが、再び最高値圏に迫りつつある。ただ、ドル以外に対する円の上昇幅は限られており、現時点で政府・日銀の円売り介入に対する警戒感はさほど強くはない。
三菱東京UFJ銀行の井野鉄兵金融市場部アナリストは「円高がさらに進んでいく雰囲気ではないが、積極的な円売りの材料も見当たらない」と指摘する。外為市場では米景気の減速懸念や金融緩和の長期化などに加え、欧州財政不安も意識されており、投資資金が円に逃避している動きもみられる。このため、当面は円高・ドル安が定着するとみる関係者も多い。
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14日の東京株式市場では、日経平均株価が小幅反落した。バーナンキFRB議長の発言をきっかけに円高が進み、輸出企業の業績悪化懸念が強まった。海外売上高比率が高い精密、電機などに売りが目立った。
「今後も円高が続けばさらに輸出企業の業績下押し要因になるが、もう少し為替相場の先行きを見極める必要がある」(りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・ストラテジスト)など慎重姿勢の関係者も多く、朝方のまとまった売りが一巡した後は下げ幅を縮小する動きになった。午後1時時点の日経平均は、前日比66円71銭(0.67%)安の9896円43銭。
バーナンキ、ドル、FRB、円高、三菱東京UFJ銀行、日銀
日経平均(円) | 9,936.12 | -27.02 | 14日 大引 |
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NYダウ(ドル) | 12,516.74 | +25.13 | 14日 11:49 |
英FTSE100 | 5,846.95 | -59.48 | 14日 16:35 |
ドル/円 | 79.14 - .16 | +0.09円安 | 15日 0:43 |
ユーロ/円 | 112.15 - .18 | -0.12円高 | 15日 0:43 |
長期金利(%) | 1.075 | -0.025 | 14日 17:44 |
NY原油(ドル) | 98.05 | +0.62 | 13日 終値 |
使用率: | 63.6% | 3353/5270万kW |
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15日の予想: | 87.6% | 14~15時比較的余裕 |
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