2011年7月14日 23時25分 更新:7月14日 23時40分
「犠牲になるのは子供」。原発を巡る「やらせメール」問題で、九州電力は再開を支持する世論を誘導しようと、関係者の意見投稿をお膳立てする「例文集」を作成していた。
例文は六つ。「安全対策については十分に実施されており、発電再開に全く問題ない」と自画自賛。別の例文では「九州を含む西日本が元気を出して生産や経済を回さなければならない」と使命感を前面に出す。さらにはトヨタ自動車の豊田章男社長の実名を出した例文では、発言を引用しながら「電力不足が国内産業の空洞化にますます拍車をかける」と危機感をあおった。
「夏の『熱中症』が大変に心配。犠牲になるのは弱者である子供や年配者」と配慮も打ち出す一方、太陽光や風力といった自然エネルギーを「代替の電源に成り得ることは到底無理」と批判する文も周到に用意していた。
「玄海原発プルサーマル裁判の会」世話人の小林栄子さん(60)は「そこまでして(原発を)稼働させたいのかと思うと情けない」と話した。