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【放送芸能】

「24日・正午」その時TVは… 地上デジタル放送移行

2011年7月14日 朝刊

 地上デジタル放送に完全移行する七月二十四日正午は、テレビにとっては大きな節目。テレビの歴史を振り返るなどの特番を用意する局もある一方で、何もしない局もある。温度差の理由は…。 (早川由紀美)

 NHKは、地デジ移行が延期される東北三県を除いて、正午をまたいだ二部構成、約四時間の特番「その時、みんなテレビを見ていた!」を放映する。街頭でのプロレス中継や、アポロ11号の月面着陸、TBS「8時だヨ!全員集合」など人々の記憶に残るテレビ映像をふりかえる。また、視聴率ベスト20の変遷を追うことで、社会や人の生き方の変化もひもといていく。ゲストとして俳優の石田純一などが出演。石田の父・武は元NHKアナウンサー。アポロ11号のニュースなどを担当した。

 日本テレビも、午前十一時四十五分から一時間にわたり特番を放映する。テレビが六十年の歴史の中で伝えた大事件やバラエティー番組の名シーン、ヒット曲などをカウントダウン形式で紹介。双方向テレビや3Dテレビ、ネットとの融合などテレビの未来像についても特集する。

 フジテレビは恒例の二十七時間テレビの最中に節目を迎える。アナログテレビが正午に字幕画面に切り替わる瞬間などを中継する予定という。

 TBSは通常通り「アッコにおまかせ」を午前十一時四十五分から放映する。「『アッコ』の中で、アナログを長年見た人にそれなりのごあいさつはしなきゃいけない」(石原俊爾社長)。

 テレビ東京はディズニーリゾートからの生中継。デジタル化の瞬間をディズニーリゾートで迎えることにとくだんの意味はないようだが、生放送にすることで、地震などの際にはアナログ放送の延長など柔軟に対応できる。「あまりお祭り騒ぎにするつもりはない。テレビ局サイドの事情で騒いでもどうか」と井上康編成局長は説明する。

 テレビ朝日は正午からプロ野球オールスター戦を中継するが、午前中も地デジ移行についてはとくだん触れる予定はないという。早河洋社長は「アナログの視聴者は限りなくゼロに近いという前提に立つと、そちら向けに何かをやるというのはあり得ないんじゃないかと思う」。

 地デジ化後の変化について、早河社長は「今まで10%とっていた番組が8・5〜9%になった、ということは起こり得るのではないか」と視聴率が一時的に微減する可能性を指摘する。視聴率は関東地方の場合、同じ世帯で最大八台まで調査対象になる。二台目以降をデジタル化していない場合、それらのテレビで見ていた番組の視聴率は落ちることもあり得る。

 日本テレビの細川知正社長(現会長)は六月の記者会見後「デジタルテレビが普及したことでBSの接触率が増え、ソフトのすみわけなどの問題が起こってくる」とBSの存在感が強まることに言及。“新時代”到来があまりお祭り騒ぎとならないのは、地上波を取り巻く状況が厳しくなることも影響しているかもしれない。

 

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