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福島産牛セシウム 出荷農家「おわびしたい」
静岡で一部消費
福島県南相馬市の牛農家が出荷した肉用牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、この農家が出荷した肉牛の肉が、少なくとも10都道府県に流通し、一部は静岡県などで消費されていた。
福島県は11日、緊急時避難準備区域と計画的避難区域内で出荷される牛全頭について肉の検体調査の実施を決めたが、生産者、消費者双方に戸惑いが広がっている。
「チェックを通り抜けてしまい、結果として(今回の問題を)防げなかった」。記者会見した県農林水産部の鈴木義仁部長は肩を落とした。
両区域で飼育された牛が出荷される際は、同県が全頭の体表面をサーベイメーターで検査し、安全性を確認することになっている。農林水産省によると、これまでに検査を受けたのは約1万2000頭。ただ、実際に口に入る肉の検体調査はしていない。このため厚生労働省は、出荷先の自治体に、解体後の牛肉から検体を採取して放射性物質を検査するサンプル調査を要請してきたが、検査を受けた牛は数十頭にとどまる。
今回の問題では、肉用牛が放射性物質に汚染されたワラを食べ、内部
南相馬市の牛農家や、肉の一部が消費されていた静岡県の消費者は困惑を隠せない。同市内の農家の大谷昭吉さん(70)は「南相馬市は放射線量が低い地域なので驚いている。風評被害で価格が下がるのが心配だ」と声を落とした。
一方、静岡市葵区の会社員男性(44)は「子どもが肉が好きなので不安はある。ただ、そんなことを言っていたら何も食べられなくなる」と複雑な表情を見せた。
東京都は、南相馬市の農家から出荷された牛6頭の個体識別番号を公表した。スーパーなどに並ぶ商品ラベルに表示されており、インターネットで検索すると生産地や流通経路などの情報が分かる。
個体識別番号は以下の通り。
▼12494―3520―2 ▼12493―7172―2
▼12494―3356―7 ▼12494―4137―1
▼12549―0208―9 ▼12426―9031―8
(2011年7月12日 読売新聞)
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