使用済み核燃料、乾式キャスク施設へのシフト迅速化を=米上院議員
【ワシントン11日ロイター時事】ダイアン・フェインスタイン米上院議員(民主、カリフォルニア州)は11日、原子力規制委員会(NRC)に対し、原子力発電所の使用済み核燃料を貯蔵プールから乾式キャスク貯蔵施設に移す時期を早めるよう義務付けるべきだと述べた。
同議員は乾式キャスクの方がプールで貯蔵するより安全だと指摘した。同議員はエネルギー政策を監督する上院歳出小委員会の委員長を務めている。
同委員はNRCのヤツコ委員長に充てた書簡で「日本の災害から得た教訓は、想定外の脅威にも対応できるよう備えなければならないということだ。そのため、原子力業界が不意を突かれるような危険な状況に陥るリスクを一層軽減する政策にすべて転換すべきだ」と述べた。
福島第一原発では、使用済み燃料プールの存在が原子炉の完全なメルトダウン(炉心溶融)回避努力に障害になっている。同原発では損傷したプールでの使用済み核燃料の冷却に苦戦しており、米国でも同じようなプールが使用されていることに懸念が生じている。使用済み核燃料は数年ないし数十年間にわたってプールで貯蔵・冷却される。しかし、一部の議員は使用済み核燃料をより早期に乾式キャスクに移すべきだと述べている。
フェインスタイン上院議員は、米学術研究会議の2006年の研究では乾式キャスクで発生する使用済み燃料事故やテロ攻撃の方が、プールで発生するものよりも対応が容易であろうという結論が出ていると指摘した。
同上院議員は先月の公聴会でもNRCのヤツコ委員長に対し、同じような懸念を表明している。その際、同委員長は、使用済み燃料が100年間プールで安全に貯蔵できるとの判断をNRCが下していると指摘したが、それまでに乾式キャスクに移される公算があるとも述べている。
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